福岡造船

福岡造船株式会社について

福岡造船株式会社（ふくおかぞうせん、英: FUKUOKA SHIPBUILDING CO., LTD.）は、日本の造船業界において重要な役割を果たしている企業です。福岡市中央区に本社を構え、さまざまな中型船舶の設計と製造を行っています。主な製品には、コンテナ船、多目的貨物船、RO-RO船、旅客フェリー、セメントタンカー、LPG船、ケミカルタンカー、オイルタンカー、リーファーなどがあります。特に、化学薬品を運ぶための特殊船とされるケミカルタンカーが会社の主力商品となっています。

歴史と進化

福岡造船は1947年に設立され、当初は漁船を中心に建造していましたが、1960年代に入ると、貨物船を主体とした事業に転換しました。この転換により、耐食性のステンレス製タンクなどの技術が進化し、特殊船の建造に特化していきました。2004年には、長崎市の長栄造船を買収し、新たに長崎工場を設立しました。

近年では、新しい燃料としてLNG（液化天然ガス）を取り入れた船舶の開発に取り組んでいます。2012年には、世界初のLNG燃料を使用したケミカルタンカーの基本承認をノルウェー船級協会から受け、2019年にはLNGバンカリング船の受注をしました。そして、2023年4月には、日本で初めてLNG二元燃料を使用したケミカルタンカーが長崎工場で進水を果たしました。

事業所と施設

福岡造船には複数の工場があり、それぞれ異なる機能を持っています。すべての工場は、船舶の建造と設計に特化し、高度な技術力を活かしています。主な工場の位置は以下の通りです：

• - 福岡工場：福岡県福岡市中央区港に位置し、建造船台の能力は12,000G/T。
• - 長崎工場：長崎県長崎市深堀町にあり、建造船台は25,000G/Tと規模が大きい。
• - 土井首工場：長崎市内の土井首町に位置。
• - 野牛島工場：深堀町にあり、専門的な建造を行っています。
• - 川尻工場：広島県呉市川尻町にあります。
• - 東京事務所：東京都中央区にて業務を展開。

これらの工場は、相互に連携しながら効率的な生産体制を構築しています。

子会社と研究開発

福岡造船は、関連会社としていくつかの造船会社を持っており、特に「ふくおか渡辺造船所」や「臼杵造船所」はそれぞれ独自のプロジェクトを進めています。また、2021年には船舶設計業務を行う「ふくおかクリエイト株式会社」を設立。これは、さまざまな設計業務を内部で行える体制を整えるためのもので、設計に関わる専門家を受け入れた経緯があります。

結論

福岡造船株式会社は、長い歴史を持つ造船企業であり、特殊船の分野において独自の技術を進化させてきました。そのプロジェクトの中でも、LNG燃料を使った船舶の開発は環境への配慮を示す重要な動きであり、これからの海事産業においても、その存在感をますます高めていくことでしょう。

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