第百三十八号哨戒特務艇

第百三十八号哨戒特務艇の歴史

第百三十八号哨戒特務艇（だいひゃくさんじゅうはちごうしょうかいとくむてい）は、日本海軍に所属していた特務艇で、「第一号型哨戒特務艇」のうちの一隻です。この艇は太平洋戦争の終戦時に残存し、その後も洗練された掃海活動を行いました。

丸戦計画の一環

この艦艇は、マル戦計画によって特務艇として計画され、艦号の第2121号艦型の138番艇にあたります。初めは仮称艦名として第2258号艦が与えられましたが、1944年11月5日に正式に第百三十八号哨戒特務艇と命名され、第一号型の53番艇としてその運命が定まりました。この段階では、本拠地は呉鎮守府に仮定されていました。

1945年5月25日には、船体がほぼ完成し、株式会社四国船渠工業所から呉海軍工廠に引き渡されました。8月11日に竣工し、呉鎮守府に本籍を置き、舞鶴鎮守府新潟港湾警備隊に編入されました。しかし、その後の歴史の中で何度も名を変え、多様な組織に編入されました。

戦後の掃海活動

1946年2月1日、艇は第二復員省呉地方復員局において掃海艦として定められ、これに伴い帝国特務艇籍から除籍されました。同日、艦名も「哨特第百三十八号」に改称され、呉地方復員局掃海部仙崎支部に所属することとなりました。6月15日には復員庁の開庁により、仙崎掃海部に移管されましたが、8月20日には仙崎掃海部が廃止されたため、下関掃海部に編入されました。

1948年1月1日には復員庁が廃止されたことにより、艇は運輸省に移管され、同年5月1日には海上保安庁に編入され、「掃海船MS-23」となります。さらに、8月20日には名称が「哨特第一三八号 MS-23」に定められました。この間、掃海作業中に殉職者を出すなど、過酷な状況下での活動が続きました。朝鮮戦争時には、日本特別掃海隊が派遣された際に本船も予備船として下関で待機しました。

組織変遷と最終的な除籍

1951年12月1日には「船名があわしま MS-23」と改称され、1952年には保安庁警備隊に移管され、第二幕僚監部新潟航路啓開隊第10掃海隊に編入されます。1954年1月15日には舞鶴地方総監部舞鶴基地警防隊第10掃海隊に移動し、同年7月1日に保安庁警備隊が海上自衛隊に改編された際には、掃海艇として再編成されます。

その後、艦番号は次第に変更されながら（1957年にはMSI-683に改正）、最終的に支援船に編入され「掃海雑船20号 YAM-20」となりました。1963年には船種の呼称が「掃海船」に改められ、同年の3月31日には海上自衛隊から除籍され、その46年間にわたる長い活動の歴史に幕を下ろしたのです。

このように、第百三十八号哨戒特務艇は、日本海軍における重要な役割を果たしつつ、戦後も引き続き日本の海上防衛に寄与した艦艇のひとつといえるでしょう。

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