第百八十一号哨戒特務艇

第百八十一号哨戒特務艇についての概要

第百八十一号哨戒特務艇は、日本海軍において計画された未成の特務艇です。この艦艇は、第一号型哨戒特務艇の74番目にあたり、さまざまな経緯を経てその運命が定められました。以下に、この艦艇の成立から未成に至るまでの経過を詳しく述べます。

艦艇の計画と命名

第百八十一号哨戒特務艇は、マル戦計画の一環として設計されました。この計画は、日本海軍が戦争の激化に伴い、特務艇を増強するために立てたものでした。艦艇は第2121号艦型に属し、仮称名では第2301号艦として位置付けられていました。

1944年11月5日、正式に「第百八十一号哨戒特務艇」と命名され、第一号型哨戒特務艇の68番艇としての運命を背負うこととなります。本艇は、佐世保鎮守府を本籍として、さらなる建造に向けて進められました。

起工と建造の進展

1945年1月5日、株式会社自念造船鉄工所にて項目が起工されましたが、時代背景としてはすでに日本が戦争の敗北に向かっている状況でした。これにより、本艇の建造も影響を受けることになります。

工事が進む中、終戦を迎えた1945年8月17日に工事中止が発令されました。その時点で船体工程の進捗は約40%でありました。この中止により、多くの艦艇同様に第百八十一号哨戒特務艇もその建造を断念せざるを得なくなったのです。

終戦後の運命

終戦後の1947年2月1日、第百八十一号哨戒特務艇は「行動不能艦艇（特）」に定められました。この指示により、艦艇は実質的に無用の長物となり、自念造船鉄工所で放置されることとなったのです。その後の動向については記録が乏しく、詳細は不明なままであります。

結論

第百八十一号哨戒特務艇は、日本海軍のさまざまな試みの中で計画された艦艇であり、戦争の影響下で未成に終わった例の一つです。この艦艇の歴史を通して、戦争が軍事計画に与える影響やそれに伴う艦艇の運命を考えることができるでしょう。戦後、艦艇たちは新たな時代を迎えることなく、ただ過去の遺物としてその存在を静かに忘れ去られていくのです。

参考文献

1. 海軍省、復員庁の資料。
2. 昭和19年11月5日付の達第363号や内令に関する文書。
3. 世界の艦船 No. 507 増刊第45集『日本海軍護衛艦艇史』、海人社、1996年。
4. 福井静夫による『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
5. 防衛研修所戦史室の戦史叢書 第88巻『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
6. 丸スペシャル No. 49 日本海軍艦艇シリーズ『駆潜艇・哨戒艇』、潮書房、1981年。

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