第百八十号哨戒特務艇

第百八十号哨戒特務艇

第百八十号哨戒特務艇は、日本海軍の特務艇のひとつであり、未成の状態で戦争が終結しました。この艇は、第一号型哨戒特務艇の73番艇として軍艦の配備計画に組み込まれたもので、歴史的な背景を持っています。

構想と特徴

この艇は、マル戦計画に基づき特務艇として設計されたもので、艦型は第2121号艦型の180番艇にあたります。当初は第2300号艦という仮称がつけられ、1944年11月5日に正式に第百八十号哨戒特務艇と命名されました。
また、第一号型哨戒特務艇の67番艇としての位置づけがなされたことから、特務艇の中でも具体的な運用を想定した設計がされています。

建造と進水

本艇は佐世保鎮守府を本籍とすることとされ、1945年7月11日に株式会社自念造船鉄工所において進水しました。進水はされたものの、終戦の影響により未成の状態であったため、実際の運用には至りませんでした。

工事の中止とその影響

1945年8月17日、工事中止が発令され、本艇の建設は最終的に中断されることになります。この時点で船体工程は90%に達していましたが、その後は自念造船鉄工所で放置されることとなりました。

戦後の運命

戦後の1947年2月1日には、行動不能艦艇（特）に指定され、同年11月22日には在東京アメリカ極東海軍司令部から解体指令が下されました。このようにして、第百八十号哨戒特務艇は、未完成のまま日本の海軍の歴史の中に幕を閉じることとなったのです。

脚注と参考文献

この艇に関する詳細な情報は、戦時中の各種公式文書や書籍に記録されています。特に、海軍省や復員庁が発行した文書は貴重な資料となっています。また、戦史叢書や艦艇史に関する書籍からも、多くの情報が得られています。

第百八十号哨戒特務艇のように、戦争の激動の中で未成に終わった艦艇は少なくなく、それらは日本海軍の歴史を語る上で欠かせない存在となっています。

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