第百六十三号哨戒特務艇

第百六十三号哨戒特務艇の歴史

第百六十三号哨戒特務艇（だいひゃくろくじゅうさんごうしょうかいとくむてい）は、日本海軍に属する特務艇であり、特に第一号型の64番目の艇となります。この艦艇は太平洋戦争後に触雷し擱座しました。

艦艇の計画と命名

本艇は、マル戦計画に基づく特務艇として、2121号艦型の163番艇として起草されました。仮称艦名は2283号艦とされており、1944年11月5日に正式に第百六十三号哨戒特務艇と命名されました。この時、艦艇は第一号型哨戒特務艇の一部として、佐世保鎮守府を本籍地として指定されました。

1945年1月31日、船体の工事が完了し、林兼重工業株式会社から佐世保海軍工廠に引き渡されました。そして、2月10日に竣工し、再び佐世保鎮守府に本籍地を定め、佐世保防備隊に含まれました。さらに、軍の護衛部隊としての配置が決定されました。

運用と任務

艦艇は訓練を行うため、1945年2月18日に第200号駆潜特務艇とともに佐世保を出港しました。20日から21日の間には哨戒任務に従事し、その後も訓練を続けました。2月28日には再び佐世保を出発し、哨戒に出ることとなります。

3月1日には阿波川丸の護衛を行い、その後まもなく、連合艦隊の第二十二戦隊に配属されました。4月には鹿児島に進出し、整備と訓練に専念しました。

5月18日には第五特攻戦隊に編入され、軍部隊の一環として種子島への輸送任務にも従事しました。6月には第七艦隊に配置転換され、掃海活動と対潜掃蕩に従事しました。7月1日には舞鶴鎮守府の伏木港湾警備隊に編入されました。

終戦とその後

終戦の時点では、艦艇は残存しており、1945年8月22日に触雷し擱座を余儀なくされます。触雷後は近藤造船所で修理作業が行われました。1947年2月1日には行動不能艦艇に分類され、その後5月3日に海軍の編制廃止に伴い除籍されることとなります。

同年11月22日には、在東京アメリカ極東海軍司令部から漁船への改造許可が下り、廃艦された艦艇が新たに漁業に利用されることが決まりました。このような流れにより、第百六十三号哨戒特務艇は戦後の時代において、新たな役割を果たすことになるのでした。

参考文献

本艇の詳細な歴史については、海軍省や復員庁などの記録、及び戦時日誌に基づく資料を参照しています。また、艦艇に関する専門書や軍事研究の成果も活用されていることが多く、そのヒストリーは多面的に記録されています。

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