第百六十四号哨戒特務艇

第百六十四号哨戒特務艇の概要

第百六十四号哨戒特務艇（だいひゃくろくじゅうよんごうしょうかいとくむてい）は、日本海軍の特務艇の一つであり、第一号型哨戒特務艇の65番艇として計画されました。この艇は、太平洋戦争の激化の中で運命を共にすることになります。

計画と命名

この艇は、マル戦計画に基づく特務艇として位置づけられ、艦型2121にて164番艇として計画されました。仮称艦名は2284号艦であり、1944年11月5日に第百六十四号哨戒特務艇と正式に命名されました。初めは佐世保鎮守府を本籍とし、同年の内に艦体が完成されます。このようにして、1945年の2月16日には林兼重工業株式会社から佐世保海軍工廠に引き渡された後、3月2日に竣工を迎えることとなります。

配属と運用

竣工後、この艇は佐世保鎮守府に本籍を定め、連合艦隊第二十二戦隊第四監視艇隊に編入されます。四月からは鹿児島へ進出し、整備および訓練を実施しました。5月18日には第五特攻戦隊の指揮下に入ることで、軍隊区分の第二特攻部隊に配置され、対馬海峡を経由して種子島への輸送任務に従事します。

座礁と放棄

1945年5月30日、この艦艇は種子島への輸送を終えて鹿児島へ帰投する際に西之表で座礁しました。座礁後の艇体は放棄され、その後の救難活動は成功しないままとなりました。目撃者の証言により、艇体の状態やその後の管理については議論を呼びました。

戦後の状況と除籍

その後、6月15日には第七艦隊の指揮下に編入され、北九州防備部隊へと再配置されます。7月1日には第四監視艇隊から削除され、舞鶴鎮守府敦賀港湾警備隊に編入されましたが、この艇の艦歴は1947年5月3日に海軍の正式な編制が廃止されたことで終了しました。この日に、第百六十四号哨戒特務艇は除籍され、歴史の幕を閉じました。

参考文献

この艦艇に関する詳細な情報は、海軍省や復員庁所蔵の文書をもとに、戦時の艦隊運営や歴史的背景を知る手助けとして利用されています。特に、昭和19年から昭和22年にかけての内令や戦時日誌は、詳細な時系列を追う上では重要な資料となっています。加えて、海人社の関連出版物や朝雲新聞社による戦史叢書も、この艦艇の背景を理解するためには欠かせない文献です。

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