第1回ブリーダーズゴールドカップ

第1回ブリーダーズゴールドカップの開催

1989年10月10日、札幌競馬場にて「第1回ブリーダーズゴールドカップ」が開催されました。これは、日高の生産者たちが競馬の発展を目指し、アメリカのブリーダーズカップに倣って企画した特別なレースです。生産者たちの取り組みの結果、競馬に対する新たな貢献が期待されるこのレースの設立が実現しました。

企画から実施までの経緯

1987年に生産者の間で「アメリカのブリーダーズカップに似たレースを作れば競馬に貢献できるのでは？」との話が持ち上がり、それが徐々に具体的な形になっていきました。条件としては法人化や構成員の設定、永続性の確保が求められ、次第に意見が集まりました。その結果として、全国各地から優れた馬を集め、レースが実施できるとの合意が得られました。1989年、ジャパンブリーダーズカップ協会の後援のもと、初めてのブリーダーズゴールドカップが開催される運びとなりました。

企画当初から生産者が主導したこのイベントには、賞金も生産者が出資する形で進められ、ジャパンブリーダーズカップ協会が主催者として意欲的に取り組みました。協会はその後社団法人化を目指しましたが、認可が遅れ、レースの準備が進む中で正式な実施要項が発表されたのは開催の約一か月前でした。

開催当日のイベント

当日は、中央のGI馬である有名種牡馬の展示やさまざまなイベントが行われ、多くのファンが足を運びました。出展された馬たちは、ミホシンザン、サクラユタカオー、ダイナガリバー、メリーナイスといった名馬たちで、パドックは人で溢れかえりました。また、秋の味覚市やニジマスの掴み取り、牛肉祭りなど、多彩なイベントも同時開催され、地域の活気を感じさせるものでした。新冠町の少年少女鼓笛隊の演奏もあり、全日家族連れで賑わい、札幌競馬史に残る観客数を記録しました。

招待馬と地元馬の活躍

ブリーダーズゴールドカップには、中央から招待された2頭、レインボーアカサカとブランドアンヌ、さらには地方の他地区からもフェートノーザンとコクセイピューマが出走しました。レインボーアカサカはかつてのレコード勝ちの実績があり期待されたものの、前回の競走では結果が振るわず、今回のレースに挑むこととなりました。ブランドアンヌは前回の競走を快勝し、その勢いを持って重賞挑戦に臨みました。

地方勢では、フェートノーザンが注目を集めました。彼は前年に独特の走りを見せ、今年も初めての重賞であるこの大会のために準備が進められていました。特にフェートノーザンの安藤勝己騎手は、他の競走をキャンセルしてこの大会に専念する姿勢を見せました。

地元馬の中には、連勝記録を持つホロトマイケルや、北海優駿の勝者フシミラツキー、二冠馬となったベストンダンデイといった強豪が揃い、地元の期待を背負ってレースに臨みました。

競走内容のハイライト

晴れた天候の下、馬場状態も良好の中でレースが始まりました。レインボーアカサカが先頭に立ち、続いて地元の馬たちが追いかけました。しかし、快調に見えた様子の背後で、フェートノーザンは使わせるのに苦労していました。６コーナーで激しいバトルが繰り広げられ、場内は興奮に包まれました。

最後の直線では、苦しみながらもフェートノーザンが外から伸びてきて、見事に差し切り勝ちを果たしました。この瞬間、地元のファンは大歓声を上げ、フェートノーザンの生産者には「生産者賞」が贈られるなど、記念すべき瞬間となりました。

結果とその後

この競走は地元及び日本の競馬界において新たなスタートを切る重要なレースとなりました。生産者主導での取り組みが実を結び、ブリーダーズゴールドカップは今後の道筋を確かなものとし、その意義を広める大きな術となったのです。

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