第1延坪海戦

第1延坪海戦

第1延坪海戦は、1999年6月15日に黄海の延坪島近くで発生し、北朝鮮と韓国の艦艇による激しい銃撃戦が繰り広げられました。この戦闘は、朝鮮戦争後に国連軍司令部によって設定された北方限界線に起因し、両国間の緊張が再び顕在化した出来事でした。

経緯

戦争直後、国連軍は北方限界線を確立し、これが韓国と北朝鮮の海上の境界線とされましたが、北朝鮮はこれを正式に認めていませんでした。1999年6月15日、北朝鮮の艦船がこの限界線を越えたことから、韓国海軍はチャムスリ級哨戒艇を派遣し、北朝鮮艦船を押し戻すために体当たりしました。この時、北朝鮮艦艇が応じて発砲し、韓国側もこれに対して銃撃戦が展開されました。

結果として、北朝鮮の魚雷艇と哨戒艇が撃沈され、残る艦艇は北方限界線の北側に退却しました。この銃撃戦は、韓国にとって衝撃的な出来事であり、冷え込んだ北南関係を改めて認識させる契機となりました。

戦後の影響

この戦闘の発生により、韓国の海軍は強い意義を見出しました。6月15日は「戦勝記念日」として記録され、戦闘に参加した549人には勲章が授与されました。初めは「延坪海戦」と呼ばれていましたが、2002年の西海交戦を受けて第2延坪海戦と名付けられたため、後に第1延坪海戦と改称されました。

また、当時の韓国軍の合同参謀議長であった金辰浩は、自叙伝で北朝鮮の通信情報を傍受した結果、死傷者数が130人以上に上ったことを確認したと述べています。これにより、戦闘の影響が両国関係に深刻な影を落としたことが浮き彫りになりました。

現在の動向

2020年6月、韓国政府は顕忠日行事において、天安沈没事件や第1、第2延坪海戦の遺族を招待しないとの発表を行いました。公式には「コロナ流行を考慮して」とされていますが、韓国軍内では、政府の意向として大統領の配慮があったのではないかという憶測も流れています。

関連項目

• - 第2延坪海戦
• - 大青海戦
• - 天安沈没事件
• - 延坪島砲撃事件

このように、第1延坪海戦は単なる軍事衝突に留まらず、韓国と北朝鮮の関係において重要な節目となる出来事でした。戦後の記憶や影響は、今でも両国の国民にとって心に残るトピックの一つであり、歴史の教訓として扱われています。

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