第10回ゴールデングローブ賞

1953年2月26日、ロサンゼルスのアンバサダーホテルにて、第10回ゴールデングローブ賞の授賞式が執り行われました。この賞は、前年1952年に公開された優れた映画作品とその関係者を表彰するものです。数々の名作がこの年の栄誉を競いました。

主要な部門における受賞結果と候補作品は以下の通りです。

作品賞

ドラマ部門では、セシル・B・デミル監督の『地上最大のショウ』が見事受賞を果たしました。この部門には他に、『愛しのシバよ帰れ』、『The Happy Time』、『真昼の決闘』、『The Thief』がノミネートされていました。
ミュージカル・コメディ部門の作品賞には、『わが心に歌えば』が選ばれました。候補には、『アンデルセン物語』、『I'll See You in My Dreams』、『雨に唄えば』、『Stars and Stripes Forever』が名を連ねました。

監督賞

監督賞もまた、『地上最大のショウ』を手がけたセシル・B・デミルが受賞しました。リチャード・フライシャー（『The Happy Time』）とジョン・フォード（『静かなる男』）も優れた功績によりノミネートされていました。

俳優賞

ドラマ部門の主演男優賞は、西部劇の傑作『真昼の決闘』で主演を務めたゲイリー・クーパーが受賞しました。候補にはシャルル・ボワイエ（『The Happy Time』）とレイ・ミランド（『The Thief』）がいました。
ミュージカル・コメディ部門の主演男優賞は、『雨に唄えば』のドナルド・オコーナーが受賞しました。ダニー・ケイ（『アンデルセン物語』）とクリフトン・ウェッブ（『Stars and Stripes Forever』）もこの部門でノミネートされました。

ドラマ部門の主演女優賞は、『愛しのシバよ帰れ』での演技が高く評価されたシャーリー・ブースに贈られました。ジョーン・クロフォード（『突然の恐怖』）とオリヴィア・デ・ハヴィランド（『謎の佳人レイチェル』）も候補でした。
ミュージカル・コメディ部門の主演女優賞は、『わが心に歌えば』のスーザン・ヘイワードが受賞しました。キャサリン・ヘプバーン（『パットとマイク』）とジンジャー・ロジャース（『モンキー・ビジネス』）もノミネートされていました。

助演男優賞は、『白昼の脱獄』のミラード・ミッチェルが受賞しました。カート・カズナー（『The Happy Time』）とギルバート・ローランド（『悪人と美女』）も候補でした。
助演女優賞は、『真昼の決闘』で印象的な演技を見せたケティ・フラドが受賞しました。ミルドレッド・ダンノック（『革命児サパタ』）とグロリア・グレアム（『悪人と美女』）もこの部門でノミネートされました。

新人俳優賞

新人男優賞は、『謎の佳人レイチェル』のリチャード・バートンが受賞しました。アルド・レイ（『パットとマイク』）とロバート・ワグナー（『Stars and Stripes Forever』）も有望な新人としてノミネートされました。
新人女優賞には、『赤い風車』のコレット・マルシャンが選ばれました。リタ・ガム（『The Thief』）とケティ・フラド（『真昼の決闘』）も候補に挙がりました。

脚本賞、作曲賞、撮影賞

脚本賞は、『五本の指』のマイケル・ウィルソンが受賞しました。カール・フォアマン（『真昼の決闘』）とクラレンス・グリーン、ラッセル・ラウズ（『The Thief』）もノミネートされました。
作曲賞は、『真昼の決闘』のディミトリ・ティオムキンが受賞しました。ロージャ・ミクローシュ（『黒騎士』）とヴィクター・ヤング（『静かなる男』）も候補でした。
撮影賞（白黒部門）は、『真昼の決闘』のフロイド・クロスビーが受賞。ハル・モーア（The Four Poster）とサム・リーヴィット（The Thief）も候補でした。
撮影賞（カラー部門）は、『地上最大のショウ』のジョージ・バーンズが受賞しました。

特別賞

国際賞は、『地上最大のショウ』が受賞し、映画の国際的な影響力が称えられました。この賞には、『愛しのシバよ帰れ』、『The Happy Time』、『真昼の決闘』、『The Thief』もノミネートされていました。
特別貢献賞はフランシス・キー・テラーに贈られました。
ヘンリエッタ賞（世界で最も愛される女優賞）はスーザン・ヘイワードが、ヘンリエッタ賞（世界で最も愛される男優賞）はジョン・ウェインが受賞しました。
セシル・B・デミル賞には、映画界への貢献を称え、ウォルト・ディズニー、スタンリー・クレイマー、アドルフ・ズーカーの3名が選ばれました。
子役賞は、『The Member of the Wedding』のブランドン・デ・ワイルドが受賞しました。フランシス・キー・テラー（Navajo）とジョージ・ウィンスロウ（My Pal Gus）も候補でした。

このように、第10回ゴールデングローブ賞は、1952年の映画界における多様な才能と作品を広く認識し、その栄誉を称える祭典となりました。特に『地上最大のショウ』と『真昼の決闘』が複数の部門で受賞するなど、この年の映画シーンを象徴する結果となりました。

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