第10回ロサンゼルス映画批評家協会賞

1984年の映画界を彩った作品と才能を称える、第10回ロサンゼルス映画批評家協会賞。1984年12月5日にノミネーションが発表され、授賞式は翌1985年1月24日に行われました。

この年の最大の話題は、ミロシュ・フォアマン監督の『アマデウス』の圧倒的な受賞でしょう。作品賞、監督賞、脚本賞と主要3部門を独占し、その年の映画界における存在感を示しました。主演男優賞は『アマデウス』でモーツァルトを演じたF・マーリー・エイブラハムが受賞。類まれな演技力で観る者を魅了した彼の受賞は、まさに満場一致と言えるでしょう。

一方、主演女優賞はキャスリーン・ターナーが『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷|ロマンシング・ストーン_秘宝の谷』と『クライム・オブ・パッション』の2作品で受賞という快挙を達成しました。彼女の幅広い演技力と魅力が評価された証と言えるでしょう。

そのほかにも、数々の名作がノミネートされ、受賞を果たしました。撮影賞は『キリング・フィールド』のクリス・メンゲス、音楽賞は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のエンニオ・モリコーネ、助演男優賞は『ソルジャー・ストーリー』のアドルフ・シーザー、助演女優賞は『インドへの道』のペギー・アシュクロフトがそれぞれ受賞。それぞれの作品に貢献した彼らの技量が評価された結果と言えるでしょう。

外国映画賞にはオランダ映画『4番目の男』が選ばれ、ハリウッドのみならず世界中の優れた映画作品に光が当てられました。

さらに、映画界への長年の貢献を称える生涯功労賞にはルーベン・マムーリアンが選出されました。彼の功績は映画史に大きな足跡を残し、後世の映画作家たちに大きな影響を与え続けています。

そして、独立系や実験的な映画・ビデオ作品を対象としたインディペンデント/実験映画・ビデオ賞はジョージ・クッチャーが受賞しました。また、将来を嘱望される若手俳優に贈られるニュー・ジェネレーション賞にはアラン・ルドルフが、特別賞にはアンドリュー・サリスとフランソワ・トリュフォーが選ばれました。

第10回ロサンゼルス映画批評家協会賞は、『アマデウス』の成功を象徴するだけでなく、1984年という一年間に制作された多様な映画作品と、数々の才能を称えた、映画史に刻まれる重要なイベントでした。それぞれの受賞作品や受賞者は、その後の映画界に大きな影響を与え、映画の歴史において重要な役割を果たしました。

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