第11師団 (日本軍)

第11師団の概要と歴史

第11師団は大日本帝国陸軍の一部として、日清戦争の後、1896年に設立されました。この師団は新設された6つの師団のうちの一つであり、主に四国地方の香川県、徳島県、愛媛県、高知県を徴兵区とする地域において軍事活動を行っていました。設立当初の司令部は香川県の善通寺町に置かれ、全国的な軍組織の中で重要な役割を果たしました。現在、この地は陸上自衛隊善通寺駐屯地および四国学院大学のキャンパスに使用されています。

日露戦争への参加

日露戦争中の第11師団は、乃木希典大将の指揮の下、第3軍に編入され、旅順攻撃に参加しました。また、奉天会戦では川村景明大将の鴨緑江軍に加わり、1909年から2年間満洲に駐屯。当時の日本の膨張政策の中で、軍隊の重要性が増していたことを示しています。1911年には、司令部が香川県の善通寺町に移転され、事務を開始しました。その後、1920年にはシベリア出兵に参加し、帰還したのは1921年のことです。

日中戦争と太平洋戦争

日中戦争では、1932年の第一次上海事変に動員され、その後、さらなる軍の強化と演習が行われました。1933年には福井県と石川県で特別大演習に参加し、南軍としての役割を果たしました。以降、1938年には満洲に派遣され、その地域での駐屯が続きました。日中戦争の影響を受けながらも師団は再編され、1939年には歩兵第22連隊が新設の第24師団に統合され、三単位制の構造を持つ師団へと変貌していきました。

太平洋戦争が始まると、第11師団は第5軍の指揮下、満洲での訓練や抗日パルチザンと戦う治安維持活動に従事しました。1944年には歩兵第12連隊と第43連隊、山砲兵第11連隊の一部が第6派遣隊としてグアムに派遣され、最終的には同地で玉砕を迎えることになります。1945年の4月には師団の主力が本土防衛のため四国へ移動し、同年8月の終戦までその地で展開を続けました。

歴代の指導者

第11師団は長い歴史の中で、多くの指導者がその指揮を取ってきました。最初の指揮官は乃木希典中将で、1898年から任務を開始しました。その後も多くの有名な指揮官が務め、230年にわたる歴史の中で様々な主任や参謀を輩出しました。

このようにして第11師団は、明治から昭和にかけての日本の戦争と軍事の歴史において、その存在感を持つ組織として位置付けられています。特に日露戦争や日中戦争、太平洋戦争における活動は、日本の軍事戦略に大きな影響を与えました。現在、第11師団に関する資料は、陸上自衛隊の資料館などで展示され、歴史を学ぶ貴重な拠点となっています。

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