第12ヘリコプター隊

第12ヘリコプター隊について

第12ヘリコプター隊は、群馬県北群馬郡榛東村の相馬原駐屯地に司令部を置く、陸上自衛隊第12旅団隷下の航空科部隊です。第1飛行隊は、栃木県の北宇都宮駐屯地に分駐しています。

概要

第12ヘリコプター隊は、かつて第12師団第12飛行隊として発足しました。2001年、第12師団が空中機動旅団へ改編された際、部隊も増強され、現在の第12ヘリコプター隊となりました。これは、陸上自衛隊で唯一の空中機動展開に特化した旅団の中核を担うためです。航空科部隊の中では、第15ヘリコプター隊と並び、師団・旅団保有部隊として最大規模を誇ります。

平時には、空中機動展開訓練に加え、甲信越地方の地理的特性を踏まえ、高地や雪上での訓練も行っています。災害派遣時には、全国各地へ展開し、活動します。ただし、第12ヘリコプター隊のみでは輸送能力が十分ではないため、有事の際には東部方面航空隊や第1ヘリコプター団などの増援が必要となります。

また、旅団隷下部隊に空中機動の知識を習熟した隊員を配置するため、空中機動指導官養成訓練を実施しています。この訓練は、ヘリコプターの着陸誘導、ホバリング状態からの飛び降り、ラペリングなど、様々な状況を想定した実践的な内容となっています。戦闘捜索救難においては、第1ヘリコプター団や第102飛行隊と同様に、航空科隊員によるラペリングも行っています。

沿革

第12飛行隊時代

1962年（昭和37年）1月18日：東部方面航空隊隷下部隊として、霞ヶ浦駐屯地に新編されました。
1962年11月30日：東部方面航空隊本部とともに、霞ヶ浦駐屯地から宇都宮北分屯地に移駐しました。
1994年（平成6年）3月28日：第12師団隷下に編入されました。

第12ヘリコプター隊時代

2001年（平成13年）3月27日：第12師団の空中機動旅団化に伴い、第12飛行隊を増強改編し、第12ヘリコプター隊が発足しました。
隊本部が北宇都宮駐屯地から相馬原駐屯地に移駐。
第12飛行隊（北宇都宮駐屯地）を第1飛行隊に改編。
本部付隊、第2飛行隊を相馬原駐屯地に新編。
2014年（平成26年）7月：1機あたりの無事故飛行2,400時間達成により表彰を受けました。
2014年（平成26年）9月27日：御嶽山噴火に伴う災害派遣活動に従事しました。
2015年（平成27年）9月10日：平成27年9月関東・東北豪雨に伴う災害派遣活動において、第1飛行隊のUH-60JAがホイストを用いて濁流にのまれる寸前の民間人を多数救助しました。
2015年（平成27年）10月：フジサンケイグループ主催の「第13回国民の自衛官」表彰式において部隊表彰を受けました。
2018年（平成30年）1月23日：草津白根山（本白根山）噴火に伴う噴石により、スキー場で訓練中の隊員8名が被災。全員救出されたものの、搬送先の病院で男性陸曹長1名が殉職しました。その後、災害派遣要請を受け、第12偵察隊をスキー場へ空輸し、ロープウェイ山頂駅付近に避難していたスキー客を救助しました。
2021年（令和3年）2月22日：栃木県足利市で発生した山火事の消火のため、災害派遣。CH-47を使用して空中消火作業を実施しました。

部隊編成

第12ヘリコプター隊本部
第12ヘリコプター隊本部付隊「12ヘリ-本」
第1飛行隊「12ヘリ-1」（UH-60JA）：北宇都宮駐屯地に所在
第2飛行隊「12ヘリ-2」（CH-47J/JA）

主要装備

UH-60JA多用途ヘリコプター
CH-47J/JA輸送ヘリコプター

関連項目

第1ヘリコプター団
第102飛行隊
第15ヘリコプター隊
東部方面航空隊
第1飛行隊

もう一度検索