本白根山

本白根山

本白根山（もとしらねさん）は、群馬県吾妻郡草津町と嬬恋村にまたがる標高2,171mの活火山です。草津白根山の主峰であり、周辺は豊かな自然に恵まれています。

地理

本白根山は、草津白根山の南側に位置し、山頂付近には過去の噴火活動によって形成された5つの大きな火口が南北に並んでいます。これらの火口は、南から順に古本白根火砕丘、新本白根火砕丘、鏡池火砕丘、鏡池北火砕丘と名付けられています。火口周辺にはハイキングコースが整備され、夏にはリンドウやシャクナゲなどの高山植物が咲き誇り、コマクサの自生地としても知られています。また、山腹には草津国際スキー場のゲレンデが広がっており、冬には多くのスキーヤーやスノーボーダーで賑わいます。

火山活動

本白根山では、約3000年前に溶岩流を伴う噴火があったことが記録されています。また、鏡池北火砕丘では約1500年前まで噴火が起きていたと推定されています。過去には、1976年に登山中の高校生が硫化水素を吸い込み死亡する事故も発生しましたが、近年では2018年まで目立った活動は見られませんでした。

2018年の噴火

2018年1月23日、本白根山で突然の噴火が発生しました。噴火は、鏡池北火砕丘の北側の縁に東西に並ぶ複数の火口（火口列）と、鏡池北火砕丘から谷を挟んだ西側の火口、それに鏡池火口内の新たな火口列で発生しました。このうち、西側の火口はスキー場のリフトから約100メートルの至近距離に位置していました。噴火の3分前から火山性微動が観測され、噴火直前には約2分間の隆起とその後の沈降が観測されましたが、それ以前には火山活動を示すデータは観測されておらず、前兆のない突然の噴火でした。

噴火は水蒸気爆発とみられていますが、高温の火山ガスも関与したと考えられています。噴出物の量は約4万トンと推計されており、2014年の御嶽[[山噴火]]の10分の1程度でした。この噴火により、草津国際スキー場に多数の噴石が落下し、スキー場で訓練中だった自衛隊員1名が噴石により死亡しました。また、白根火山ロープウェイのゴンドラに噴石が当たり、窓ガラスが割れて乗客が負傷するなど、計11人が負傷しました。当初は雪崩が発生したと報じられましたが、噴石による負傷と訂正されました。この事故で亡くなられた自衛隊員は、その勇敢な行動を讃えられ、特別昇任となりました。噴火後、ロープウェイは廃止されました。

噴火後の対応

気象庁は、噴火後、草津白根山の噴火警戒レベルを本白根山と白根山（湯釜付近）に分けて発表することにしました。これにより、本白根山の噴火警戒レベルは一時的にレベル3に引き上げられましたが、その後、レベル2に引き下げられました。2019年4月には、本白根山の噴火警戒レベルはレベル1に引き下げられ、現在に至ります。

火山防災体制

2018年の噴火を受け、草津白根山防災会議協議会では、ハザードマップや避難計画が策定されました。これにより、より具体的な防災対策が講じられるようになりました。

外部リンク

• - 草津白根山 - 気象庁
• - 草津白根山（本白根山）の火山観測データ - 気象庁
• - 草津白根山の臨時及び過去の詳細月別火山概況・火山活動解説資料 気象庁
• - 草津白根山（本白根山）の最近（２ヶ月間）の日別地震回数表 気象庁
• - “草津白根山の火山活動に関する情報” - 国土地理院
• - 草津白根火山の噴火に関する情報 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
• - 草津白根山・本白根山の地質 (PDF)
• - 2018年1月23日 草津白根山（本白根）噴火 - 東京大学地震研究所

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