第124飛行隊 (イスラエル空軍)

イスラエル空軍 第124飛行隊：ローリングソードの歴史

イスラエル空軍第124飛行隊、通称「ローリングソード」は、同空軍で最初にヘリコプターを運用した飛行隊として知られています。その歴史は、独立戦争後の1951年にまで遡ります。ヘリコプターの導入から始まり、数々の機種運用、中東戦争での活躍を経て、現在のUH-60ブラックホーク運用に至るまでの軌跡を辿ります。

黎明期：ヘリコプター導入と初期運用

イスラエル空軍は、1948年の独立戦争でヘリコプターの有用性を認識し、導入を検討し始めました。1951年、アメリカから2機のヒラー360が到着し、エクロン空軍基地（現テルノフ空軍基地）で運用を開始。初期は訓練や救助活動に従事し、1951年には洪水で孤立したキブツへの物資輸送に成功しました。その後、1956年にはシコルスキー S-55が導入され、ヘリコプター運用は拡大。しかし、初期の機種は事故や性能面での課題も抱えていました。

第124飛行隊の独立と多機種運用

1958年1月、第103飛行隊のヘリコプター小隊が独立し、第124飛行隊として正式に発足しました。初代隊長はウリ・ヤロムが務めました。同時期にシコルスキー S-58が導入され、戦力は増強。また、フランスから寄贈されたアルエットIIは、救出・輸送任務に使用されました。1960年代には、S-58が主力となり、S-55は退役。さらにアルエットIIによる対戦車ミサイル運用も試みられましたが、実戦配備には至りませんでした。

中東戦争での活躍と転換期

1967年の第三次中東戦争では、第124飛行隊のS-58、第125飛行隊のアルエットII、第123飛行隊のベル47Gがそれぞれ作戦に参加。S-58は空挺兵の侵入作戦で活躍しました。戦後、ヘリコプター部隊の再編が進み、S-58とベル47は退役。1968年から1969年にかけて、ベル205が配備され、1973年の第四次中東戦争にも投入されました。その後、ベル212への更新が始まりました。

ブラックホーク導入と現在

1980年代に入ると、第124飛行隊はパルマヒム空軍基地へ拠点を移動。1983年には、UH-60ブラックホークの導入評価が行われましたが、予算の制約からすぐには導入できませんでした。1985年にはAS365ドーファンが導入され、後に第193飛行隊として独立。1994年、アメリカから供与されたUH-60Aが導入され、「ヤンシャフ（フクロウ）」の愛称で呼ばれることになりました。さらに1997年にはS-70A-50（UH-60L相当）が導入され、現在の主力機となっています。2015年には第123飛行隊もパルマヒム空軍基地に移転し、UH-60系列の集中運用体制が確立されました。

まとめ

第124飛行隊は、初期のヘリコプター運用から、数々の中東戦争を経て、UH-60ブラックホークを主力とする現代的な部隊へと進化を遂げました。その歴史は、イスラエル空軍のヘリコプター戦力の発展を象徴するものです。

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