第13回世界ジャンボリー

第13回世界ジャンボリー：日本の朝霧高原で開催された国際的な祭典

第13回世界ジャンボリーは、1971年8月2日から8月10日にかけて、日本の静岡県富士宮市朝霧高原で開催された世界的なボーイスカウトの祭典です。日本での開催は今回が初めてであり、国内外から大きな注目を集めました。

開催決定とテーマ

1967年8月17日にアメリカ・シアトルで開催されたボーイスカウト世界大会において、日本は開催地として選出されました。同年9月4日には、会場が朝霧高原に正式決定しました。大会のテーマは"For Understanding"（「相互理解」）とされ、世界中のスカウトたちが文化や価値観を共有し、友情を育むことを目指しました。

大会概要

大会には、87カ国から23,758人ものスカウトや関係者が参加しました。期間中には、アーミン・マイヤー米国大使や宇宙飛行士ニール・アームストロングといった著名人も来場し、参加者を激励しました。また、当時の皇太子明仁親王・美智子妃も会場を訪れ、スカウトたちとの交流を深められました。

台風による緊急退避

大会期間中には、台風19号が九州地方を縦断するというアクシデントが発生しました。静岡県は台風の勢力圏内には入らなかったものの、降雨の影響で朝霧高原の地盤が緩み、水没やテントへの浸水が発生しました。そのため、8月5日には約5,740人が大石寺へ、翌日には16,043人が各施設へ緊急避難するという事態となりました。しかし、8月7日には12,500人がキャンプ地へ戻り、翌8日には残りの人員も戻って、大会は通常運営に戻りました。

会場と現在

会場は約300haもの広大な面積を有し、富士宮有料道路（現在の国道139号）や県道上井出芝川線（現在の静岡県道75号清水富士宮線）沿いに設けられました。大集会場として使用された場所は、現在は朝霧アリーナとして利用されています。また、中央広場周辺は朝霧ジャンボリーゴルフクラブとなっています。静岡県立朝霧野外活動センターは、世界ジャンボリー開催に先駆けて1969年に完成しました。

意義と影響

第13回世界ジャンボリーは、日本のボーイスカウト運動の発展に大きく貢献するとともに、国際交流や相互理解の重要性を広く社会に訴える機会となりました。大会の成功は、その後の日本の国際協力や青少年育成事業にも大きな影響を与えました。

参考文献

静岡県・静岡県県民運動推進協議会『第13回世界ジャンボリー大会報告書』1971年。
第13回世界ジャンボリー静岡県県民運動推進協議会『富士につどう 第13回世界ジャンボリー』1971年。

関連項目

ボーイスカウト
ジャンボリー
* 世界スカウトジャンボリー

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