第140師団 (日本軍)

第140師団

第140師団は、1945年（昭和20年）1月20日に策定された帝国陸海軍作戦計画大綱に基づき、本土決戦に備えるために急遽編成された54個師団の一つです。その中でも、第一次兵備として2月28日に編成された16個の沿岸配備師団の一つに数えられます。

沿革

師団司令部は神奈川県片瀬町（現在の藤沢市片瀬）に置かれました。主な任務は「相模湾防衛」であり、第53軍の指揮下に入り、湘南海岸からの敵軍上陸に対抗するため、海岸線や近隣の山林に多数の横穴陣地やトーチカを構築しました。しかし、急な編成であったため、火力は十分ではなかったとされています。

終戦に伴い、師団に関する資料は焼却されてしまい、詳細な情報は多くが不明となっています。師団が構築した陣地などの遺構は多数残存しているものの、開発などにより破壊されたものも多く、地元郷土史家や古老の体験談などによって断片的に伝えられているのが現状です。

師団概要

歴代師団長

物部長鉾 中将：1945年（昭和20年）4月1日 - 終戦

参謀長

吉村蔵五郎 中佐：1945年（昭和20年）4月1日 - 終戦

最終所属部隊

歩兵第401連隊（東京）：平沢喜一大佐（司令部：鎌倉山）
歩兵第402連隊（甲府）：鈴木薫二大佐（司令部：千畳敷山）
歩兵第403連隊（佐倉）：菅原甚吉中佐（司令部：藤沢市）
歩兵第404連隊（溝ノ口）：立花啓一大佐（司令部：御所見村（現：藤沢市御所見））
第140師団砲兵隊
第140師団速射砲隊
第140師団輜重隊
第140師団通信隊
第140師団兵器勤務隊
第140師団野戦病院

脚注

参考文献

『相模湾上陸作戦 -第二次世界大戦終結への道』大西比呂志・栗田尚弥・小風秀雅 共著、有隣新書、1995年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

決号作戦 - 本土決戦
第一次兵備 - 第二次兵備 - 第三次兵備
沿岸配備師団 - 機動打撃師団
根こそぎ動員
* 大日本帝国陸軍師団一覧

もう一度検索