第153師団 (日本軍)

第153師団は、1945年1月20日に策定された帝国陸海軍作戦計画大綱に基づき、本土決戦に備えるために編成された54個師団の一つです。このうち、第一次兵備として2月28日に編成が命じられた16個の沿岸配備師団の一つとして、その歴史が始まりました。

編成と配置

第153師団は京都で編成され、第13方面軍の戦闘序列に編入されました。この師団は、日本本土防衛のために組織された沿岸配備師団の一つであり、その役割は、敵の上陸作戦に対する防衛戦力の強化にありました。

主要な人事

歴代師団長

稲村豊二郎 中将：1945年（昭和20年）4月1日 - 終戦

参謀長

大熊初五郎 中佐：1945年（昭和20年）4月1日 - 終戦

所属部隊

第153師団は、以下の部隊で構成されていました。

歩兵第441連隊（敦賀）：連隊長 松本昌次大佐
歩兵第442連隊（京都）：連隊長 坂本嘉四郎大佐
歩兵第443連隊（敦賀）：連隊長 山本信輝大佐
歩兵第444連隊（京都）：連隊長 西川正行大佐
第153師団砲兵隊
第153師団速射砲隊
第153師団輜重隊
第153師団通信隊
第153師団兵器勤務隊
第153師団野戦病院

太平洋戦争末期の状況

第153師団が編成された1945年は、太平洋戦争末期であり、日本本土への連合軍の侵攻が現実味を帯びていた時期でした。そのため、本土決戦に備えた急造師団の編成は、当時の日本の国防戦略における重要な柱の一つでした。

第153師団は、沿岸防御を主な任務としており、その配備地域は、敵の上陸が予想される地点を警戒し、侵攻を阻止する役割を担っていました。

しかし、この師団は、実際には戦闘を経験することなく終戦を迎えることとなりました。その存在は、本土決戦という未曽有の事態に備えるための、当時の日本軍の必死な努力の一端を示すものといえるでしょう。

関連事項

決号作戦：本土決戦を想定した作戦計画。
第一次兵備、第二次兵備、第三次兵備：本土決戦に備えた兵力増強計画。
沿岸配備師団：敵の上陸に備え、沿岸地域に配備された師団。
機動打撃師団：機動力を重視し、敵の侵攻に対して迅速な打撃を与えることを目的とした師団。
根こそぎ動員：国民全体を動員して戦力を増強する政策。
大日本帝国陸軍師団一覧：大日本帝国陸軍の各師団をまとめた一覧。

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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