第16回宝塚記念

第16回宝塚記念 (1975年6月1日)

1975年6月1日、阪神競馬場で開催された第16回宝塚記念は、多くの競馬ファンが注目する中、7頭の出走馬が集まりました。中でもファン投票で1位のキタノカチドキが脚部不安のため出走を取りやめるという波乱の状況がありました。2位のタニノチカラも体調が完璧ではないため、自重したことから、出走馬は小粒な顔ぶれとなりました。

出走馬と人気

この年のレースで最も注目されたのは、1番人気に支持されていた福永洋一騎乗のニホンピロセダンです。彼は前年に京都新聞杯と神戸新聞杯で2着となり、同年の天皇賞（春）でも3着に入った実績を持っています。

2番人気には「花の47年組」と呼ばれるナオキが名を連ねました。前々年の第14回宝塚記念では2着を獲得したナオキは、母エイトクラウンも1966年の宝塚記念の勝ち馬であり、母仔二代制覇が期待されました。ナオキの父はスプリンターのサウンドトラックでしたが、3200メートルの天皇賞には幾度も挑戦しながらも惨敗していました。彼のこの年の活躍としては、中京記念と鳴尾記念を連勝しています。

3番人気のフェアーリュウは、前年の菊花賞で3着を獲得した実力馬で、他にもイナボレスやモアーキャッスル、ミリオンパラ、マサエイシュンといった馬たちが出走していました。

レースの展開

この日のレースは晴れた良馬場で行われ、2200メートルの芝コースでの競走となりました。出走馬が7頭と少なかったため、スムーズな展開が予見されました。

レースが始まると、先行するのはナオキだけでした。佐々木昭次騎手が手綱をしっかりと握り、ナオキはマイペースで走り続けました。一方、ニホンピロセダンは少し前に上がり2番手で様子を伺います。3コーナー手前では、ニホンピロセダンが少しずつナオキに接近していくものの、ナオキの両馬の行き分けは堅く、互いに微妙な駆け引きが見られました。

レースの進行につれてナオキがペースを上げると、ニホンピロセダンはその後ろで喘ぎ始めました。福永騎手は4コーナー手前で2着を狙う作戦に切り替え、他の馬たちも一斉に脚を使い始めます。しかし、3番手で構えていたモアーキャッスルが直線に入ると驚異的な伸びを見せ、ニホンピロセダンを押さえて2番手に上がりました。

勝利の決定

結局、1着はナオキが独走での勝利を収め、2着にはモアーキャッスルが食い込み、ニホンピロセダンは3着となりました。ナオキが母仔二代制覇の夢を叶えた瞬間、佐々木騎手は拍子抜けした表情で表彰台へ向かいました。

レース結果

このレースは、ナオキが圧倒的な強さを見せたことからも、多くの競馬ファンに印象深く刻まれることとなりました。レースの詳細や各馬の特徴を踏まえると、1975年の宝塚記念は、競馬史に名を刻む記念碑的なレースとなったのです。

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