エイトクラウン

エイトクラウン：日本競馬界の偉大な名牝

エイトクラウンは、日本の競走馬および繁殖牝馬として知られ、特に初の牝馬による宝塚記念の勝者としてその名を刻んでいます。また、彼女の血統や成功を収めた戦績も注目されています。馬齢の基準は当時のものに基づいています。

戦績

エイトクラウンは1964年8月にデビューしました。彼女の競走生活は、野地菊特別から阪神3歳ステークスまでの4連勝から始まりました。特に阪神3歳ステークスでは、それまでの記録を1秒以上も更新する圧倒的な勝利を収め、この勝利により同時に啓衆社賞最優秀3歳牝馬に選ばれる栄誉を得ました。

彼女の3歳時の成績は、7戦5勝に達しています。明け4歳になって初戦も勝利し、これにより5連勝の記録を打ち立てましたが、桜花賞では逃げるハツユキに追いつけず4着、オークスでは3番人気に推されていましたが、残念ながら最下位の16着に終わります。秋の菊花賞では牡馬と競い合いますが、17着と悔しい結果となりました。

エイトクラウンは5歳時には中距離レースに焦点を当て、6月の鳴尾記念で優勝した後、宝塚記念でも勝利を収めます。これにより、1966年の啓衆社賞最優秀5歳以上牝馬に選ばれることになりました。その後、1967年1月にオープン特別で2着になったのを最後に、彼女は現役を引退します。

引退後の活躍

引退後、エイトクラウンは故郷の大塚牧場に戻り、1969年にナオキを出産しました。このナオキも宝塚記念を制し、母子での制覇を達成した唯一の例となりました。また、1973年にはクラウンピラードを出産し、この馬も1977年の天皇賞で春秋連続2着入線する実績を持っています。このように、エイトクラウンは繁殖牝馬としても成功し、多くの名馬を輩出しました。

馬名の由来

エイトクラウンの馬名は、馬主の山口昇が愛知トヨタ自動車の社長であったことによるものです。彼は当時販売されていた高級乗用車「クラウンエイト」という名前を馬名にしようとしましたが、中央競馬会から「商品と全く同じ名前は認められない」と却下されました。そのため、「エイト」と「クラウン」を逆さにした「エイトクラウン」として申請され、受理されました。なお、彼女の1歳年上の半姉は「トヨタクラウン」という名が付けられています。

血統表

エイトクラウンは見事な血統を持つ馬でもあります。彼女の甥にあたるサブリナチェリー（ジュニアグランプリや岐阜金賞を含む笠松重賞4勝）の存在もその血統の一端を物語っています。彼女の系譜を辿ることで、日本競馬における歴史的な馬たちの繋がりを感じることができます。エイトクラウンはその競走成績と繁殖成績を通じて、日本競馬界に長く残る影響を与え続けています。

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