第17回カンヌ国際映画祭

第17回カンヌ国際映画祭

第17回カンヌ国際映画祭が1964年4月29日から5月14日までの期間に開催されました。この映画祭は、国際的な映画界において重要な位置を占めており、その年の映画の質やトレンドを示す場となります。

受賞結果

この年のグランプリにはジャック・ドゥミ監督の『シェルブールの雨傘』が選ばれ、映画祭の最高賞を受賞しました。この映画は音楽と映像が見事に融合した作品で、観客の心を掴みました。また、審査員特別賞には勅使河原宏の『砂の女』が授与され、この作品も高く評価されました。

男優賞はアンディ・パーゲルやサロ・ウルツイに与えられ、彼らがそれぞれ『Pacsirta』や『誘惑されて棄てられて』で見せた演技が評価されました。女優賞はアン・バンクロフトとバーバラ・バリーが受賞し、前者は『女が愛情に渇くとき』、後者は『わかれ道』での演技が称賛されました。特別表彰として、故人のアンジェイ・ムンクが表彰され、彼の業績に敬意が表されました。

審査員

コンペティション部門の審査を担当した審査員は、オーストリア出身の著名な監督フリッツ・ラングが委員長を務めました。審査員にはルネ・クレマン、シャルル・ボワイエ、ジュヌヴィエーヴ・パージュ、ローレンス・マルムステット、ラウール・プロカン、アーサー・シュレジンジャー・Jrなど、国際的に活躍する映画人が名を連ねていました。特にラングは、映画界の巨匠としてその言葉ひとつが大きな影響を持っていたことでしょう。

上映作品

コンペティション部門では、様々な国から選ばれた映画作品が競い合いました。特別招待作品にはアメリカのアンソニー・マンによる『ローマ帝国の滅亡』、イタリア・フランスのマッシモ・フランチローザによる『Le Sexe des Anges』、ユーゴスラビアのヴェルコ・ブライーチによる『Skoplje 63』が含まれており、国際的な視点で多彩な作品が上映されました。

この映画祭は、参加映画の質の高さや、業界内での人脈構築の場としても重要視されており、今後のカンヌ国際映画祭にも大きな影響を与える出来事となりました。映画界の新たな才能が現れる瞬間に立ち会うことのできる場として、多くの映画ファンや関係者にとって魅力的なイベントの一つであることが伺えます。

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