第2レンジャー大隊 (アメリカ軍)

アメリカ陸軍 第2レンジャー大隊：歴史と英雄

第2レンジャー大隊は、アメリカ陸軍が誇る精鋭部隊であり、第75レンジャー連隊の隷下にあります。ワシントン州フォート・ルイスに駐屯し、その歴史は第二次世界大戦中に遡ります。

二度の編成

第2レンジャー大隊という名称を持つ部隊は、歴史上2度編成されています。

初代（1943年 - 1945年）: 第二次世界大戦中に存在した6個のレンジャー大隊の一つ。
2代目（1974年 - ）: 1974年に再編成された第75レンジャー連隊隷下の大隊。エリート偵察部隊として再出発し、後に特殊作戦部隊へと変更されました。

初代：第二次世界大戦の英雄

1943年4月1日、第2レンジャー大隊、通称「ラダーズ・レンジャーズ」は、テネシー州キャンプ・フォレストで第5レンジャー大隊と共に創設されました。AからFまでの6個中隊で構成され、1943年9月に編成を完了。オーバーロード作戦（ノルマンディー上陸作戦）に備えてイギリスに派遣されました。

D-デイ：ポワント・デュ・オックの戦い

1944年6月6日、D-デイ。ジェームズ・ラダー大佐に率いられたD・E・Fの3個中隊は、イギリス軍の上陸用舟艇からポワント・デュ・オックに上陸しました。ドイツ軍の激しい抵抗の中、225名の兵士が崖を登り、砲台を制圧するという困難な任務に挑みました。2日間の激戦を生き残ったのは僅か90名でしたが、彼らはドイツ軍の砲台を使用不能にし、フランス侵攻の道を切り開きました。

一方、第5レンジャー大隊と共に上陸したA・B・Cの3個中隊は、第1歩兵師団および第29歩兵師団と共に上陸。多数の死傷者を出しながらも、D-デイの目標を達成しました。

その後、第2レンジャー大隊はブレストの戦いやヒュルトゲンの森の戦いにも参加しましたが、戦後、第5および第6大隊と共に解隊されました。

2代目：特殊作戦部隊として

1974年、第1レンジャー大隊再創設の8か月後、エリート偵察部隊として第2レンジャー大隊が再編成されました。その後、特殊作戦部隊へと変更され、1984年には第75レンジャー連隊の隷下部隊となりました。

パット・ティルマン：NFLから戦場へ

NFL選手として活躍していたパット・ティルマンは、第2レンジャー大隊A中隊に所属し、2004年4月22日にアフガニスタンで友軍の誤射により死亡しました。彼は350万ドルの契約を破棄して陸軍に入隊し、国のために命を捧げました。彼の行動は、レンジャーズが社会から尊敬される存在であることを示しています。

大衆文化における第2レンジャー大隊

第2レンジャー大隊は、数々の映画やゲームにも登場し、その勇姿が描かれています。

メダル・オブ・オナー アライドアサルト: プレイヤーは主人公マイク・パウエル中尉となり、オーバーロード作戦で第2レンジャー大隊に配属され、オマハ・ビーチ上陸作戦を体験します。
コール オブ デューティ2: プレイヤーはドッグ中隊のビリー・テイラー伍長として、ポワント・デュ・オックの戦い、ヒュルトゲンの森の戦い、ライン川渡河作戦に参加します。
プライベート・ライアン: ジョン・ミラー大尉（トム・ハンクス）は、第2レンジャー大隊のチャーリー中隊隊長として登場します。
コン・エアー: ニコラス・ケイジ演じるキャメロン・ポーは、第2レンジャー大隊の退役軍人という設定です。

第2レンジャー大隊は、その長い歴史の中で、数々の困難な任務を遂行し、多くの英雄を輩出してきました。彼らの勇気と犠牲は、アメリカ陸軍の誇りとして、語り継がれていくでしょう。

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