第2次中曽根内閣

第2次中曽根内閣の概要

第2次中曽根内閣は、中曽根康弘が第72代総理大臣に任命され、1983年12月から1984年11月にかけて構成された内閣です。この内閣は、1983年12月18日に行われた第37回衆議院議員総選挙での自由民主党の大敗を背景に、新自由クラブとの連立政権を形成しました。このことにより、1955年以来続いていた自民党単独政権の時代は一時的に終幕を迎えました。

シンボリックな出来事の一つに、1984年1月5日に中曽根が靖国神社を参拝した際の「戦後政治の総決算」を表明したことがあります。この発言は、戦後の政治状況を振り返り、改革を進める意欲を示したものです。同年7月1日、行政管理庁が廃止され、新たに総務庁が設立されることとなり、これにともない後藤田正晴が初代総務庁長官に就任しました。また、8月には日本専売公社の民営化に関する法律が成立しました。

中曽根は、自民党内の反主流派による二階堂擁立の動きを乗り切り、1984年10月末の自民党総裁選で無投票で再選を果たします。再選後には第1次内閣改造を行ない、同年12月には日本電信電話公社の民営化法も成立しました。

政権運営と影響力

1985年2月には、影響力を保持していた田中角栄が脳梗塞で入院したことで、中曽根の政権リーダーシップが強化される局面を迎えました。この年、中曽根は党のセミナーで防衛費1%枠の撤廃を提案し、8月15日には全閣僚が靖国神社を参拝しました。この参拝に対し、中国共産党内で対日友好政策に対する批判が高まり、結果的に中曽根と親しい関係にあった胡耀邦が失脚する一因ともなります。

年末には第2次内閣改造が行われ、政権基盤の強化が図られました。1986年5月には民間活力を引き入れる政策が進められ、東京サミットが開催されるなど政権の国際的な評価も高まりました。さらに、同年7月に実施された衆参同時選挙では、自民党が大勝を収めています。

新たな制度の導入

この中曽根内閣では、閣僚資産公開という新制度の導入も特徴的です。透明性を確保するための取り組みとして、政治家の資産の公開が始まり、政治への信頼を高める手段とされました。

内閣の構成

第2次中曽根内閣においては、自由民主党と新自由クラブの閣僚が中心となり、中央省庁からも多数の人材が起用されました。 国務大臣や内閣官房副長官、内閣法制局長官、総理府総務副長官など、多様な専門家がそれぞれの役職に任命され、政策の実行にあたりました。1983年12月28日には、政務次官も任命され、内閣の運営が本格的にスタートしました。

このように、第2次中曽根内閣は様々な改革や新制度の導入を経て、政治的影響力を強化しつつ、近代日本の政治運営に重要な役割を果たしました。

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