第20回カンヌ国際映画祭

第20回カンヌ国際映画祭

1967年5月12日から27日まで、コート・ダジュールの美しい街カンヌで第20回目となる国際映画祭が開催されました。この年の映画祭は、多様な作品と才能が集まった特別なイベントとなり、多くの映画ファンや関係者が注目しました。

受賞作品

映画祭の目玉であるグランプリは、ミケランジェロ・アントニオーニの『欲望』が受賞しました。この作品はアントニオーニらしい複雑な人間関係と心理描写を描き出し、観客の心を掴みました。また、審査員特別グランプリは、ジョゼフ・ロージー監督の『できごと』と、アレクサンドル・ペトロヴィッチ監督の『ジプシーの唄をきいた』が受賞しました。これらの作品もまた、当時の社会的な問題を反映した深いメッセージ性を持っていました。

監督賞にはフィレンツ・コーシャの『Tízezer Nap』が選ばれ、男優賞はオデッド・コトラーが『Shlosha Yamim Veyeled』で受賞しました。女優賞はピア・デゲルマルクの『みじかくも美しく燃え』に輝き、脚本賞はエリオ・ペトリの『悪い奴ほど手が白い』とアラン・ジェシュアの『殺人ゲーム』が受賞しました。さらに、新人監督賞はモハメッド・ラクダル＝ハミナの『Rih al Awras』に授与され、彼の才能が注目されることとなりました。

特別表彰はロベール・ブレッソンに贈られ、彼の映画界における業績が称えられました。

審査員

コンペティション部門の審査委員長は、イタリアの監督アレッサンドロ・ブラゼッティが務め、審査員にはアメリカのヴィンセント・ミネリやフランスのクロード・ルルーシュ、ハンガリーのミクローシュ・ヤンチョーなど多彩な顔ぶれが揃いました。また、セネガルのセンベーヌ・ウスマンやソ連のセルゲイ・ボンダルチュックなど、国際色豊かな審査陣が特に魅力的でした。さらに、アメリカの女優シャーリー・マクレーンやフランスのプロデューサーであるレネ・ボネールなども加わり、選考が行われました。

上映作品

映画祭では数多くの作品が上映され、コンペティション部門にはアルファベット順で多彩な映画が名を連ねました。邦題がない作品については、原題の隣に英題が表示され、観客にとって見逃せない作品となりました。また、特別招待作品も数多く上映され、その中でも特に注目されたのは、ピーター・ワトキンズの『傷だらけのアイドル』や、イジー・メンツェルの『厳重に監視された列車』です。そして、セルゲイ・ボンダルチュックによる壮大な『戦争と平和』も興味深い作品の一つでした。

カンヌ映画祭は、映画業界における新しい潮流を生み出す重要な場であり、この年も数々の印象的な作品と才能が輝きを放っていました。

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