第20回先進国首脳会議

第20回先進国首脳会議（ナポリ・サミット）

第20回先進国首脳会議は、1994年7月8日から10日にかけて、イタリア南部の都市ナポリで開催されました。この会議は通称「ナポリ・サミット」として知られ、世界の主要7カ国の首脳と欧州委員会の代表が集まり、当時の国際情勢や経済問題について集中的な協議が行われました。

主な出席者

会議には以下の首脳および代表が出席しました。

イタリア首相（議長）：シルヴィオ・ベルルスコーニ
ドイツ首相：ヘルムート・コール
イギリス首相：ジョン・メージャー
アメリカ合衆国大統領：ビル・クリントン
フランス共和国大統領：フランソワ・ミッテラン
カナダ首相：ジャン・クレティエン
日本国内閣総理大臣：村山富市
欧州委員会委員長：ジャック・ドロール

特筆すべき出来事

このサミットにおいては、議事の内容だけでなく、いくつかの異例の出来事が注目を集めました。

特に話題となったのは、当時の日本の首相であった村山富市氏の体調不良です。会議の開会に先立って催されたレセプションの最中、村山首相は腹痛や下痢といった急な体調不良に見舞われ、やむなく会場を途中退席しました。翌日になっても体調は完全には回復せず、会議の一部のセッションへの出席を見合わせる事態となりました。

村山首相は国際会議への出席や海外への渡航経験が比較的少なかったため、滞在中は現地の飲食物に対して細心の注意を払っていたとされます。宿泊先であった総領事公邸で提供される食事以外は、ほとんど口にしていなかったといわれています。しかし、会議前の各国首脳間の懇談において、屋外でウェイターから勧められた桃のジュースを不用意に飲んでしまったことが、体調不良の直接的な原因であったと考えられています。体調の変化は同日夕刻のレセプションが始まる頃にはすでに現れており、供された料理には全く手をつけられなかったとのことです。

村山首相の体調不良の原因については、当時様々な憶測が流れました。「食べ慣れないオリーブ油を多量に使用したイタリア料理が原因ではないか」といった報道も一部で見られましたが、実際には特定のジュースが原因であった可能性が高いとされています。

また、現地の一部の新聞において、日本の首相として掲載されるべき村山富市氏の写真が、姓が同じであった元大蔵大臣の村山達雄氏の写真と誤って掲載されてしまうという珍事も発生し、話題となりました。

ナポリ・サミットは、冷戦終結後の新たな国際秩序の中で、グローバルな課題解決に向けた先進国の連携を確認する場となりましたが、上記のような人的なエピソードも記憶に残る会議となりました。

関連情報

* 外務省ホームページ内に、この会議の概要が紹介されています。
（20 ナポリ・サミット）

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