第20親衛自動車化狙撃師団 (ロシア陸軍)

第20親衛自動車化狙撃師団の概要

第20親衛自動車化狙撃師団は、ロシア陸軍に所属する部隊であり、その歴史は第二次世界大戦にさかのぼります。1942年5月に、赤軍の第8戦車軍団としてロシア・ソビエト連邦社会主義共和国で設立されました。その後、この部隊は独ソ戦に投入され、さまざまな戦地での戦闘を経験しました。

第二次世界大戦

師団は1942年7月から本格的に独ソ戦に参加し、様々な作戦に従事しました。その結果、枢軸国との戦闘を経て、赤旗勲章やスヴォーロフ勲章など、多くの栄誉を獲得しました。特に、名誉称号「親衛隊」や「カルパチア」、「ベルリン」などの称号が与えられたことは、この部隊の功績を示すものです。1945年にはドイツに移駐し、その後、部隊の規模が縮小されながらも1945年7月に第8親衛機械化師団に再編されました。1957年には歩兵部隊に改編され、第20親衛自動車化狙撃師団となりました。

冷戦期の活動

冷戦中、特に1968年にプラハの春に投入されたことが知られています。この時期、師団はソ連の影響力を維持するための重要な役割を果たしていました。1992年12月、ソビエト連邦の崩壊と共に、ロシア国家として新たに編成された陸軍に組み込まれることとなります。1993年6月にはヴォルゴグラード州に移駐し、まずはその地で再編成を行いました。

チェチェン紛争とその後

1994年から1996年にかけての第一次チェチェン紛争及び、1999年から2009年にかけての第二次チェチェン紛争でも師団は活動しました。その後、2009年の部隊縮小に伴い、第20独立親衛自動車化狙撃旅団に改編されました。2021年4月には部隊が増強され、再び第20親衛自動車化狙撃師団となりました。

ロシアのウクライナ侵攻

2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まる中、第20師団はクリミアに配備され、南部・ムィコラーイウ州で攻勢を開始しました。しかし、対するウクライナ軍の防御が強く、連隊長や大隊長が戦死する結果となりました。同年7月にはヘルソン州に展開し、ここでもウクライナ軍の攻撃を受け主力が壊滅的な打撃を受けました。特に野戦司令部が攻撃され、多くの指揮官が戦死し、部隊は壊滅的な状況に陥りました。

その後、部隊は再編成され、2023年に入ると東部ドネツィク州での戦闘に参加します。バフムート地区や、アウディーイウカ戦線においても活動し、さらなる戦闘を経ながら再び士気を高めていくことになります。

編制と著名な出身者

部隊の編制は状況に応じて変化しながらも、重要な戦闘を繰り返し経験してきた歴史があります。また、ゲンナジー・ジトコやミハイル・カトゥコフといった著名な出身者を輩出しています。これらの要素により、第20親衛自動車化狙撃師団は、ロシアの軍事史において重要な位置を占めています。

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