第205師団 (日本軍)

第205師団：本土決戦に備えた機動打撃師団

第205師団は、1945年（昭和20年）4月2日に編成された大日本帝国陸軍の師団の一つです。太平洋戦争末期、連合国軍の本土上陸に備えるべく、急遽編成された54個師団の一つであり、特に第二次兵備として編成された8個の機動打撃師団の一つに数えられます。ここでは、その編成から終戦までの経緯、師団の概要について解説します。

編成と経緯

1945年1月20日に策定された帝国陸海軍作戦計画大綱に基づき、本土決戦に備えるための戦力増強が急務となりました。その結果、第205師団は同年4月2日に広島で編成され、第55軍戦闘序列に編入されました。高知に配置された第205師団は、連合国軍の四国上陸作戦に備えていましたが、実際には連合国軍の四国上陸は行われず、そのまま終戦を迎えることになりました。

師団の概要

第205師団は、以下の部隊で構成されていました。

歴代師団長
唐川安夫 中将：1945年（昭和20年）4月30日 - 終戦
参謀
本室直人 少佐：1945年（昭和20年）4月23日 - 終戦
最終所属部隊
歩兵第507連隊（山口）：石橋幸人中佐
歩兵第508連隊（鳥取）：横山忠男中佐
歩兵第509連隊（岡山）：足達謙三中佐
野砲兵第205連隊：小林繁大佐
迫撃第205連隊：指宿三郎中佐
第205師団速射砲隊：山県俊夫大尉
第205師団機関砲隊：田村憲文大尉
第205師団工兵隊：大塚忠男少佐
第205師団輜重隊：河済人也少佐
第205師団通信隊：木村菊雄少佐
第205師団兵器勤務隊
第205師団第4野戦病院

これらの部隊は、それぞれの地域から集められた兵力で編成され、四国での防衛任務に就いていました。しかし、連合国軍の四国上陸作戦は実行されなかったため、実戦を経験することなく終戦を迎えることになりました。

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

決号作戦 - 本土決戦
第一次兵備 - 第二次兵備 - 第三次兵備
沿岸配備師団 - 機動打撃師団
根こそぎ動員
大日本帝国陸軍師団一覧


第205師団は、本土決戦という未曽有の事態に備えて編成されましたが、その活動は終戦によって終結しました。しかし、その編成と配置は、当時の日本の置かれた状況を如実に示していると言えるでしょう。

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