第209師団 (日本軍)

第209師団

第209師団は、1945年（昭和20年）1月20日に策定された帝国陸海軍作戦計画大綱に基づき、本土決戦に備えるために編成された54個師団の一つです。このうち、第二次兵備として4月2日に編成が命じられた8個の機動打撃師団の一つとして、その歴史を刻み始めました。

編成と配置

1945年4月2日、第209師団は石川県金沢で編成され、第36軍の戦闘序列に組み込まれました。これは、差し迫った本土決戦への備えとして、急ピッチで進められたものでした。

師団の概要

第209師団は、編成から終戦まで以下の主要な将官と部隊で構成されていました。

歴代師団長

久米精一 少将：1945年（昭和20年）4月30日 - 終戦

参謀

山田義次 中佐：1945年（昭和20年）4月30日 - 1945年8月

最終所属部隊

歩兵第513連隊（金沢）：安藤修道中佐
歩兵第514連隊（富山）：力石勝寿中佐
歩兵第515連隊（金沢）：林司馬男中佐
山砲兵第209連隊：青木精一少佐
迫撃砲第209連隊：大江芳若中佐
第209師団速射砲隊：大泉製正少佐
第209師団機関砲隊：富田七三郎大尉
第209師団工兵隊：水野元二少佐
第209師団輜重隊：宮下宗一少佐
第209師団通信隊：山本良大尉
第209師団兵器勤務隊
第209師団第4野戦病院

これらの部隊は、それぞれの役割を担い、本土決戦に備えて訓練を行いました。

終戦

第209師団は、編成後間もなく終戦を迎えることとなり、実際の戦闘に参加することはありませんでした。しかし、その編成は、当時の日本の置かれた状況を物語るものであり、本土決戦への危機感が非常に高まっていたことが伺えます。

関連事項

第209師団に関連する事項として、以下のものが挙げられます。

決号作戦：本土決戦の作戦名。
第一次兵備 - 第二次兵備 - 第三次兵備：本土決戦に向けた師団編成計画の段階。
沿岸配備師団 - 機動打撃師団：師団の役割による分類。
根こそぎ動員：国民を総動員する体制。
大日本帝国陸軍師団一覧：大日本帝国陸軍の師団の一覧。

参考文献

本記事の作成にあたり、以下の文献を参照しました。

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

これらの文献は、第209師団の編成や歴史的背景を理解する上で非常に有益な資料です。

第209師団は、短い期間で編成され、実戦を経験することなく終戦を迎えた師団ですが、その存在は、当時の日本の軍事状況を如実に表しており、歴史を学ぶ上で重要な意味を持っています。

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