第216師団 (日本軍)

第216師団

第216師団は、太平洋戦争末期の1945年（昭和20年）1月20日に策定された帝国陸海軍作戦計画大綱に基づき、本土決戦に備えるために急遽編成された54個師団の一つです。この師団は、第二次兵備として4月2日に編成された8個の機動打撃師団の一つに数えられます。

編成と配置

第216師団は、1945年4月2日に京都で編成され、第16方面軍の直轄部隊として熊本に配備されました。しかし、戦局の悪化により、その活動期間は非常に短く、実戦を経験することなく終戦を迎えることとなりました。

特筆すべきは、歩兵第524連隊第三大隊の行動です。同大隊は、本来8月20日に編成地である姫路を出発する予定でしたが、大隊長である藤原彰大尉の判断により、予定を繰り上げ、8月18日に臨時列車を編成して姫路を出発し、熊本県来民へと向かいました。その後、9月下旬に姫路に戻り解散しています。この迅速な行動は、終戦直前の混乱した状況下での部隊の柔軟な対応を示しています。

師団の概要

第216師団は、本土決戦という未曾有の危機に対応するために編成されましたが、実戦に参加することなく終戦を迎えました。その存在は、当時の日本の切迫した状況を物語るものと言えるでしょう。

歴代師団長

中野良次 中将：1945年（昭和20年）4月30日 - 終戦

参謀

吉田俊隈 少佐：不詳 - 終戦
河合康夫 少佐：不詳 - 終戦

最終所属部隊

第216師団は、以下のような部隊構成でした。

歩兵第522連隊（京都）：富田実中佐
歩兵第523連隊（敦賀）：平井重文中佐
歩兵第524連隊（姫路）：片岡太郎中佐
野砲兵第216連隊（京都）：名川義人中佐
迫撃第216連隊（京都）：幡川錬治大佐
第216師団速射砲隊：大塚泰一大尉
第216師団機関砲隊：垣本政治少佐
第216師団工兵隊
第216師団輜重隊：竹内一郎少佐
第216師団通信隊：富田義雄大尉
第216師団兵器勤務隊
第216師団第4野戦病院

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

決号作戦 - 本土決戦
第一次兵備 - 第二次兵備 - 第三次兵備
沿岸配備師団 - 機動打撃師団
根こそぎ動員
大日本帝国陸軍師団一覧


第216師団は、その短い活動期間にもかかわらず、太平洋戦争末期の日本の状況を如実に示す存在です。その編成、配置、そして解散までの過程は、当時の日本の苦境と、本土決戦に向けた必死の努力を物語るものとして、歴史に刻まれています。

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