第27回国民体育大会

第27回国民体育大会の概要

第27回国民体育大会は、1972年に日本の鹿児島県で開催されました。この大会は、秋季大会が鹿児島市の鴨池陸上競技場をメイン会場として行われ、特に自転車競技は熊本市の競輪場で実施されました。開催にあたり、鹿児島県では近代的なインフラが整備され、地域発展に大いに寄与しました。具体的には、鹿児島本線の電化や一部複線化、九州自動車道の整備、鹿児島空港の移転などが行われ、これらは今も地域内で利用されています。また、競技場の建設にあたっては、シラス台地の改良が進められ、与次郎エリアに埋立地が形成されました。大会のスローガンは「明るく たくましく うるわしく」で、多くの選手たちが参加しました。

誘致経緯

鹿児島県は1962年から国民体育大会の開催を要望し、積極的な誘致活動を展開しました。当初は1969年に開催された第24回国民体育大会が長崎県で実施されることが決まったため、悔しい思いを経験しましたが、その後も鹿児島、宮崎、佐賀の未開催県間での調整が進められました。1967年に再度協議が行われた結果、鹿児島県が第27回の開催地として選ばれるに至りました。1972年の開催が内定したのは同年7月4日の国体委員会でのことであり、これには地元の強い期待が寄せられました。

冬季大会の実施競技

第27回国民体育大会は冬季大会と夏季大会の両方で行われ、冬季はスケート競技会が1月に栃木県の日光市と宇都宮市で行われ、またスキー競技会は2月に鳥取県の大山町で開催されました。ここでは「自然と創造との調和」がテーマとなり、スローガンは「たくましく 美しく なごやかに」として、参加者がその理念を体現しました。

総合成績

1972年10月27日には閉会式が行われ、鹿児島県が天皇杯と皇后杯の両方で1位を獲得しました。特に鹿児島県立樋脇高校のホッケー部主将である倉園忍選手が、天皇杯を三笠宮妃百合子から授与され、地元兵士の活躍が称えられました。続いて東京都、愛知県がそれぞれ2位、3位となりました。

地域への影響

この大会は、鹿児島県のインフラ整備やスポーツ振興だけでなく、地域の結束を高める役割も果たしました。各地で開催された競技は、多くの地元住民に喜びをもたらし、スポーツへの関心を一層高める結果となりました。また、新たな施設やインフラが整備されたことによって、現在に至るまで地域発展に寄与しています。選手たちの活躍とともに、多くの市民がこの大会を通じてスポーツを楽しむ機会を得ることができました。このように、第27回国民体育大会は鹿児島県にとって記念すべき歴史的なイベントとなり、今後もその影響を感じることができるでしょう。

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