与次郎

鹿児島市与次郎の詳細解説

与次郎（よじろう）は、鹿児島県鹿児島市に位置する町丁で、与次郎一丁目と与次郎二丁目から構成されています。この地域は、かつて「与次郎ヶ浜」と呼ばれた塩田でしたが、大規模な埋め立て事業によって現在の姿に生まれ変わりました。

地理

与次郎は、鹿児島市の中央部、甲突川の下流域に位置しています。北は天保山町、南は鴨池、西は下荒田と鴨池新町に隣接し、東側は錦江湾に面しています。与次郎一丁目には、フレスポジャングルパークなどの複合商業施設や、南日本新聞社、鹿児島放送、鹿児島読売テレビといった報道機関の本社があります。一方、与次郎二丁目には、鹿児島県立鴨池陸上競技場をはじめとする鹿児島県総合体育センターが大部分を占め、高層マンションも建設されています。

町名の由来

町名の「与次郎」は、江戸時代後期にこの地で塩田を拓いたとされる平田与次郎という人物に由来します。彼が開発した塩田は「与次郎ヶ浜」と呼ばれ、この地名が現在の町名に引き継がれました。

歴史

与次郎ヶ浜の誕生

与次郎ヶ浜は、天保山から鴨池にかけて広がる塩田でした。この塩田は、平田与次郎が薩摩藩の命を受け、赤穂の塩田を視察した経験を活かして開拓したものです。1937年から2年間、区画整理事業が行われました。

埋め立てと開発

1965年、鹿児島市は鹿児島開発事業団に与次郎ヶ浜の埋め立てを委託し、3か年計画で事業が開始されました。埋め立てに必要な土砂は、海底が急傾斜で浚渫が困難だったため、城山団地開発時の残土を甲突川経由で運ぶ「水搬工法」が採用されました。1972年に埋め立てが完了し、面積は108万平方メートルを超えました。この地域は環境スポーツゾーンとして整備され、観光・レクリエーションエリアとしての役割を担うこととなりました。

鴨池運動公園の完成

1972年4月には、鴨池運動公園（現在の鹿児島県総合体育センター）が完成しました。陸上競技場、野球場、テニスコートなどが設置され、国民体育大会や全[[国高等学校総合体育大会]]のメイン会場となりました。また、同年にサンロイヤルホテルや鴨池マリンパークも開業しました。1986年には鹿児島市海釣り公園もオープンしました。

町丁の設置以降

1976年、与次郎ヶ浜地区に住居表示が実施され、下荒田町の一部が「与次郎一丁目」と「与次郎二丁目」として新たに設置されました。その後、テレビ局や新聞社が相次いで進出し、1982年には鹿児島放送、1993年には鹿児島讀賣テレビ、2001年には南日本新聞社が本社を移転しました。

2004年には、用途地域の見直しが行われ、マンションや病院の建設が可能になりました。2006年には、複合商業施設のフレスポジャングルパークがオープンしました。

2024年には、鹿児島サンロイヤルホテルの解体と移転計画が発表され、跡地利用候補としてサッカースタジアムの建設も検討されています。

町域の変遷

与次郎の町域は、埋め立て事業と都市開発によって大きく変化してきました。かつての塩田地帯が、現在は商業施設、報道機関、スポーツ施設が集まる複合的な地域となっています。

施設

公共施設

鹿児島県総合体育センター
鹿児島県立鴨池陸上競技場
鹿児島県立鴨池野球場
鹿児島県立鴨池庭球場
鹿児島県総合体育センター武道館
鴨池海釣り公園
鹿児島市民文化ホール
すこやか子育て交流館りぼんかん
高齢者福祉センター与次郎

教育施設

鹿児島大学水産学部鴨池海洋生産実験室

マスメディア

南日本新聞社本社
鹿児島放送本社
鹿児島讀賣テレビ本社

その他

鹿児島県薬剤師会本部
鹿児島ビジョン本社
西原商会本社
康正産業本社
ニシムタ本社・与次郎本店
米盛病院
迫田本社・与次郎本店
ハニ・バイエルン本社
フレスポジャングルパーク
ギャラリー

人口

1995年以降の国勢調査による人口推移は、以下の通りです。

年	総人口
--	----
1995年	-
2000年	-
2005年	-
2010年	-
2015年	-
2020年	2,204

小・中学校の学区

与次郎の市立小・中学校の学区については、関連資料をご確認ください。

交通

道路

国道225号

参考文献

鹿児島県『鹿児島県史 第六巻 上巻』鹿児島県、2006年。
鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅱ』 2巻、鹿児島市、1970年3月25日。
南日本新聞『鹿児島市史Ⅳ』 4巻、鹿児島市、1990年3月15日。
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年3月27日。
南日本新聞開発センター『鹿児島開発事業団史 二十八年のあゆみ』鹿児島開発事業団、1993年。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、日本、1983年3月1日。
原口泉『意外と知らない鹿児島県の歴史を読み解く！鹿児島「地理・地名・地図」の謎』実業之日本社、2015年。
“平成27年度市政概要 10.建設” (pdf). 鹿児島市議会 (2015年).

関連項目

* 埋立地

もう一度検索