第29諸兵科連合軍 (ロシア陸軍)

第29諸兵科連合軍の歴史と活動概要

第29諸兵科連合軍は、ロシア陸軍の一部であり、現在は東部軍管区に所属しています。その起源は第二次世界大戦にさかのぼり、1941年にソビエト連邦の第30狙撃軍団を元に設立されました。この軍は、第二次世界大戦中の独ソ戦に参加し、1943年2月に一時的に解隊されるまで活躍をしました。解隊後、第1戦車軍がその司令部を基に編成されたことは、この軍の重要性を物語っています。

冷戦期の再編

1970年に再編成されると、第44軍団を基礎にブリヤート共和国に配置され、新たな任務を持つようになりました。その後、1988年には第57軍団に改編され、1993年には再び解隊されます。2010年には第29諸兵科連合軍の名称でザバイカリエ地方にて再編されました。この時期には、軍の役割は新たな地政学的状況に応じたものであり、特に2016年にはシリア内戦において第200砲兵旅団が展開され、国際的な紛争への関与を深めました。

ロシアのウクライナ侵攻における役割

2022年のロシアによるウクライナ侵攻では、第29諸兵科連合軍は重要な役割を果たしました。侵攻開始の2022年2月24日以降、彼らは第5、第35、第36諸兵科連合軍と共にベラルーシから出動し、キーウへの攻撃を試みました。さらに、北部キーウ州のチェルノブイリやイヴァンキウを占拠するも、指揮官アンドレイ・コレスニコフが戦死したとされ、その後、4月上旬に撤退を余儀なくされました。

一方、4月下旬には北東部ハルキウ州のイジューム地区に配置され、他の連合軍と共に攻勢を展開しましたが、ウクライナ軍による反攻に直面し、9月には大部分を撤退しました。この攻防は非常に激しく、ウクライナ側の反撃が成功したことが示されています。

その他の戦線での活動

南部ではザポリージャ州のメリトポリに再編成され、戦況が厳しくなった8月には、ウクライナ軍のミサイル攻撃により指揮部が壊滅的な損害を受ける事態に見舞われました。さらに、ドネツク州のヴォルノヴァーハ地区では、第68軍団や第1軍団と共に攻撃を仕掛け、パウリウカを占領しましたが、その後の反撃により大きな損害を被りました。

編制

第29諸兵科連合軍は、以下のような部隊から構成されています。

• - 第101司令部旅団（チタ）
• - 第36独立親衛自動車化狙撃旅団（ボルジャ）
• - 第200砲兵旅団
• - 第3弾道ミサイル旅団
• - 第140対空ミサイル旅団
• - 第104補給旅団
• - 第19化学防護連隊
• - 第73整備大隊

その活動は依然として続いており、アクティブな戦闘部隊として、国際的な紛争や地域の安定に重要な役割を果たしています。

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