第3潜水戦隊 (アメリカ海軍)

アメリカ海軍において、太平洋艦隊潜水艦部隊の指揮下にあった第3潜水戦隊（Submarine Squadron 3）は、潜水艦部隊の一つとして重要な役割を担いました。最終的にはハワイ州のパールハーバー海軍基地に配備されていましたが、2012年2月2日に部隊としての役割を終え、第1潜水戦隊へとその機能が統合されました。

部隊の創設とその歩み

第3潜水戦隊の歴史は、1930年11月25日にパナマ運河地帯のココ・ソロ海軍潜水艦基地で始まりました。編成当初は10隻の潜水艦が配属され、その中には1918年に就役したR級潜水艦であるR-1 (SS-78)も含まれていました。当初、この部隊は大西洋艦隊の指揮下に置かれ、パナマ運河の両岸沿岸域の哨戒活動を主な任務としていました。しかし、第二次世界大戦が勃発すると、戦局の変化に伴い、所属する潜水艦の大半が太平洋側の沿岸地域へと移動しました。

第二次世界大戦中の活動と部隊規模の縮小

第二次世界大戦が進行するにつれて、第3潜水戦隊の多くの潜水艦は、より緊迫した前線地域へ次々と転属していきました。これにより、部隊に残る潜水艦の数は減少し、1943年8月の時点ではわずか4隻となっていました。さらに戦況が進み、1945年5月には、第3潜水戦隊に配備されている潜水艦は皆無となり、部隊に残されていたのは3隻の駆逐艦と、潜水艦救難艦であるマラード (USS Mallard ASR-4)のみという状況になりました。

戦後の再編成と長期非活性化

終戦間際の1945年7月1日、第3潜水戦隊は一度、非活性化されました。しかし、同年10月1日にはグアムで再び編成が行われ、部隊としての活動を再開しました。その後、1946年2月にはカリフォルニア州のサンディエゴ海軍基地へと拠点を移しました。しかし、サンディエゴへの移駐後、第3潜水戦隊は再び非活性化の状態となり、1995年3月31日まで長期にわたり活動を停止することになります。

近代における再始動とイラク戦争への貢献

長い非活性化期間を経て、第3潜水戦隊は1997年6月16日、再びハワイ州のパールハーバー海軍基地で再編成されました。この時、部隊には近代的な原子力潜水艦が配備され、SSN-717 オリンピア、SSN-718 ホノルル、SSN-721 シカゴ、SSN-722 キーウェスト、SSN-724 ルイビル、SSN-771 コロンビアの計6隻が所属しました。

2003年には、イラク戦争を支援するため、所属艦のうち5隻が作戦地域へ展開しました。特に、SSN-722 キーウェスト、SSN-724 ルイビル、SSN-771 コロンビアの3隻は、イラク国内の特定目標に対してトマホーク巡航ミサイルによる攻撃を実行し、作戦に貢献しました。

部隊の終焉

輝かしい活動実績を持つ第3潜水戦隊でしたが、2012年2月2日、パールハーバー・ヒッカム統合基地において、部隊の解隊と第1潜水戦隊への統合が正式に発表されました。解隊時、第3潜水戦隊に所属していた潜水艦は、それぞれ第1潜水戦隊、第7潜水戦隊、または第15潜水戦隊といった他の潜水戦隊へと再編成されました。

解隊時の主な所属艦とその後の編成替え先は以下の通りです。

SSN-699 ジャクソンビル：第1潜水戦隊へ
SSN-717 オリンピア：第7潜水戦隊へ
SSN-721 シカゴ：第15潜水戦隊へ
SSN-722 キーウェスト：第1潜水戦隊へ
SSN-724 ルイビル：第7潜水戦隊へ
SSN-777 ノースカロライナ：第1潜水戦隊へ

約80年にわたる歴史の中で、第3潜水戦隊は複数の戦争や作戦に関与し、アメリカ海軍の潜水艦戦力の一翼を担いました。部隊は解隊されましたが、その任務は他の部隊へと引き継がれています。

関連事項

太平洋艦隊
ロサンゼルス級原子力潜水艦
* バージニア級原子力潜水艦

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