第31回世界遺産委員会

第31回世界遺産委員会の概要

第31回の世界遺産委員会は、2007年6月23日から7月2日の間、ニュージーランドのクライストチャーチで開催されました。この会議は、オセアニア地域において開催された3回目の委員会となり、ニュージーランドでは初の試みです。開会式では、マオリの伝統儀式が披露され、地域の文化が象徴される形で華々しいスタートを切りました。

新規登録と削除

この委員会では、合計22件の世界遺産が新たに登録され、内訳は文化遺産16件、自然遺産5件、複合遺産1件です。一方で、初めて世界遺産リストからの物件削除が行われ、これにより登録件数は851件に達しました。このような削除が行われた背景や具体的な事例については、後述するセクションで詳しく述べます。

参加国と提案

世界遺産委員会には、20以上の国からの委員が参加しました。特に新たに世界遺産保有国となったのは、ガボンとナミビアの2か国です。また、参加国の間ではそれぞれの文化財や自然の保護に対する取り組みが提案され、活発な議論が展開されました。委員国リストはUNESCOの地域区分に従っています。

危機遺産について

会議では、危機遺産リストに関しても議論が行われました。このリストからは4件が除去される一方、3件が新たに追加され、結果として危機遺産は30件に減少しました。また、「ロンドン塔」や「ウェストミンスター宮殿」など、周辺開発に起因する問題から危機遺産リストへの登録が検討された物件もありました。

監視体制と景観保護

また、強化モニタリングの導入が検討され、いくつかの世界遺産に対して適用が勧告されました。具体的には、エルサレム旧市街やドレスデン・エルベ渓谷、コンゴ民主共和国にある5つの世界遺産が対象とされました。会議の中では、景観保護に関する成功事例も紹介され、多様な視点からの意見が交わされました。

太平洋島嶼国の取り組み

ニュージーランドでの開催においては、太平洋島嶼国における世界遺産の取り組みが特に注目されました。現在、太平洋地域の世界遺産はわずか4件であり、21世紀に入り新たな締約国の増加が期待されています。委員会では、以前の「Pacific 2009」プログラムに基づいた報告や今後の目標設定が行われました。

まとめ

第31回世界遺産委員会は、ニュージーランドの文化を尊重しつつ、各国の世界遺産への取り組みを促進する重要な場となりました。そして、新たに登録された物件やこれまでの遺産に対する評価の変化が、世界各国における文化財の保護や持続可能な発展に寄与することが期待されています。今後も、世界遺産の重要性をゴシッと強調し、地域社会の発展と調和の取れた取り組みが求められるでしょう。それぞれの委員国の努力と協力が、国際的な文化遺産保護の成功に繋がることを願っています。

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