第31戦闘攻撃飛行隊 (アメリカ海軍)

第31戦闘攻撃飛行隊の歴史と役割

第31戦闘攻撃飛行隊（VFA-31）は、アメリカ海軍に所属する戦闘攻撃飛行隊であり、特に「トムキャッターズ」のニックネームで知られています。その歴史は1935年7月1日に始まり、当初はVF-1Bシューティングスターズという名称でF4Bに装備して発足しました。以来、この飛行隊は4度の隊名変更を行い、現在に至るまでその役割を果たしています。

創設から1980年代まで

創設直後、VFA-31は1937年に隊名をVF-6に変更し、次第にF3F機に転換しました。太平洋戦争が勃発した際には、F4Fワイルドキャットを装備し、エンタープライズ艦上に展開しました。1943年には新たにF6Fヘルキャットを導入し、隊名をVF-3と交換。その際、アスワタニナのマーキングが採用されましたが、元VF-3であるVF-6も同じマーキングを使用しており、1945年までどちらの部隊がそのマーキングを使っているかが議論の的となりました。1946年にはF8Fベアキャットを装備し、1948年には現在のVF-31に改名されました。

朝鮮戦争にはF9Fパンサーを使用して参加し、その後も1952年にF2Hバンシー、1957年にはF3Hデーモン、1966年にはF-4ファントムIIを導入しました。特記すべきは、VFA-31が第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争の3つの重大な戦争において敵機撃墜を記録した唯一の海軍飛行隊であることです。

1980年代以降の活動

1981年からVFA-31はF-14トムキャットに機種転換し、その後TARPSの運用も開始しました。1983年にはジョン・F・ケネディに搭載され、地中海でのクルーズ中にレバノンとシリアの偵察を実施しました。その際、シリア軍の対空陣地から攻撃を受けましたが、幸いにもF-14は無事に帰還しました。この出来事に対してはベースとなる航空母艦からの報復攻撃が行われましたが、VF-31はこのクルーズ中に2機のF-14を非戦闘中の事故で失ったこともある、厳しい歴史の一部分です。

1985年からは母艦をフォレスタルに変更し、1992年から1997年まで一時的に太平洋艦隊に配属されることとなりました。この期間中、VF-31は新型のF-14Dに更新され、LANTIRNの運用も開始しました。その後、大西洋艦隊に戻り、エイブラハム・リンカーンに搭載されて、サザン・ウォッチ作戦やイラク戦争でも重要な役割を果たしました。

イラク戦争では、VF-31はVF-213とともに1,163回の出撃を行い、合計で9,500ポンドの爆弾を投下、計6,876時間の作戦行動に従事しました。2005年にはVF-213と共にセオドア・ルーズベルトに搭載、F-14の運用を続けましたが、後にF/A-18E スーパーホーネットへ機種転換し、現在のVFA-31として活動を続けています。

このように、第31戦闘攻撃飛行隊はその歴史の中で、時代ごとに変化を遂げながらも数々の戦争に貢献してきた部隊です。その経験と技術は今なおアメリカ海軍の重要な一部として、未来に向けて活躍を期待されています。

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