第33回社会人野球日本選手権大会

第33回社会人野球日本選手権大会

概要

2006年（平成18年）11月18日から11月26日までの期間、大阪ドームを舞台に、社会人野球の年間王者を決定する「第33回社会人野球日本選手権大会」が盛大に開催されました。

この大会は、日本選手権のあり方を見直す改革の一環として、その年の都市対抗野球大会および全日本クラブ野球選手権大会の優勝チームに本戦への推薦出場権が与えられることとなった点が大きな特徴です。この制度変更に伴い、出場チーム数は従来の枠を超え、合計28チームへと増加しました。新たな推薦出場チームとして初めて名を連ねたTDK（都市対抗優勝）と和歌山箕島球友会（クラブ選手権優勝）は、ともに初戦で姿を消しました。TDKはホンダと対戦し敗退しています。

本大会では、いくつかの注目すべきチームの動向がありました。野茂英雄氏が設立したNOMOベースボールクラブは、激戦区である近畿地区の予選を勝ち上がり、本大会に初出場を果たしました。これは、近畿地区のクラブチームとしては史上初の快挙であり、同クラブは前年の都市対抗、クラブ選手権に続いて、日本の社会人野球における主要3大会（都市対抗、日本選手権、クラブ選手権）すべてに出場するという史上初の記録も樹立しました。

一方で、長い歴史を持つNTT北海道は、この大会をもって活動を休止することを発表しており、選手たちはその有終の美を飾るべく挑みましたが、2回戦で敗退し、50年におよぶ活動の歴史に幕を閉じました。また、翌年に活動休止を控えていた一光にとっても、今大会が最後の日本選手権出場となりました。

大会の軌跡

大会全体の流れとしては、富士重工業の堅牢な守備力が際立ちました。彼らはトーナメントの全試合を通じて相手チームを2失点以下に抑え、さらに無失策という驚異的な安定感を発揮。この鉄壁のディフェンスが、チームを優勝へと導く最大の要因となりました。

決勝戦

決勝戦は11月26日に行われ、富士重工業が日本生命と対戦しました。富士重工業は、投手陣と野手陣が一体となった守りを見せ、日本生命の攻撃を封じました。この結果、富士重工業が勝利投手・平井英一氏、敗戦投手・国安氏というスコアで勝利を収め、25年ぶり2度目となる日本選手権優勝を果たしました。

栄光の記録

優勝チーム

富士重工業（25年ぶり2回目の優勝）

個人賞

最高殊勲選手賞: 阿部次男（富士重工業 投手）
敢闘賞: 下敷領悠太（日本生命 投手）
打撃賞: 林稔幸（富士重工業 外野手）
首位打者賞: 衣川隆夫（ホンダ 外野手） 9打数5安打、打率.556

大会優秀選手

投手
阿部次男（富士重工業）
小出琢磨（富士重工業）
平井英一（富士重工業）
下敷領悠太（日本生命）
土井善和（日本生命）
廣瀬繁（新日本石油ENEOS）
坂本保（ホンダ）
石渡大介（伯和ビクトリーズ）
捕手
松尾貢史（富士重工業）
山岡剛（新日本石油ENEOS）
一塁手
下野敦司（日本生命）
二塁手
冨村優希（富士重工業）
三塁手
澄川昌也（日本生命）
遊撃手
鬼崎裕司（富士重工業）
田中啓嗣（日本生命）
外野手
岩元信明（富士重工業）
林稔幸（富士重工業）
阿部浩二（日本生命）
佐々木正詞（日本生命）
池辺啓二（新日本石油ENEOS）
保良久生（トヨタ自動車）
船尾隆広（NTT北海道）
指名打者
衣川隆夫（ホンダ）

大会記録

* 毎回安打: 日本生命が1回戦・対鷺宮製作所戦で達成しました。

この大会は、推薦出場制度の導入という大きな改革が行われた節目の大会となると同時に、多くのチームや選手のドラマが生まれた、記憶に残る大会となりました。

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