第35郷土防衛師団 (韓国陸軍)

大韓民国陸軍第35郷土防衛師団：地域と共に歩む忠敬部隊

大韓民国陸軍第35郷土防衛師団は、韓国陸軍を構成する師団の一つであり、その守備区域は全羅北道です。愛称は「忠敬部隊」として知られています。第2作戦司令部に隷属し、地域防衛という重要な役割を担っています。

歴史と変遷

1955年4月20日、江原道華川郡で創設された師団は、同年6月には全羅北道全州市松川洞に移転しました。当初は第9軍団隷下にありましたが、2007年の軍団解体後は第2作戦司令部直轄となりました。その後、2013年12月には師団司令部が任実郡任実邑大谷里に移転し、現在に至ります。

多様な活動と貢献

第35郷土防衛師団は、防衛任務に加え、地域社会への貢献にも積極的に取り組んでいます。設立以来、海岸警戒作戦を通して数々の功績を挙げており、101回の対スパイ作戦を実施し、617人の密入国者を検挙しました。これは、師団の警戒態勢の高さ、そして地域社会の安全を守るための強い決意を示すものです。

また、公共事業への参加も積極的に行っています。智異山開発事業や湖南高速道路建設事業への参加、環境保護のための自然浄化事業、災害発生時の復興支援、そして戦争で犠牲となった方々の遺骨発掘事業など、地域社会の様々な課題解決に貢献しています。これらの活動を通して、師団は単なる軍事組織ではなく、地域社会に不可欠な存在として認識されています。

編成と連隊

師団は3個の歩兵連隊、動員支援団、その他直轄部隊から構成されています。特筆すべきは、各連隊の名称です。かつては瑞祥動物の名前が用いられていましたが、2014年以降は、管轄地域にゆかりのある偉人の名前を用いるようになりました。これは、軍のイメージ向上を図るための方策の一つです。

第103歩兵連隊（通称号：李成桂将軍連隊）: 南原市、茂朱郡、淳昌郡、任實郡、長水郡、鎮安郡を管轄。李成桂将軍が倭寇を撃破した歴史にちなんで命名されました。
第105歩兵連隊（通称号：李舜臣連隊）: 金堤市、井邑市、高敞郡、扶安郡を管轄。李舜臣将軍が井邑県監に赴任した歴史にちなんで命名されました。
* 第106歩兵連隊（通称号：忠武連隊）: 群山市、益山市、全州市、完州郡を管轄。李舜臣将軍が壬辰倭乱時に仙遊島で休息をとったことにちなんで命名されました。

これらの連隊名からも、第35郷土防衛師団が地域の歴史と文化を深く理解し、地域住民との強い絆を築いていることが分かります。

まとめ

大韓民国陸軍第35郷土防衛師団は、地域防衛という重要な任務を担いながら、同時に地域社会への貢献にも積極的に取り組む、地域密着型の師団です。「忠敬部隊」という愛称にふさわしく、地域住民から信頼され、必要とされる存在として、これからも全羅北道の平和と発展に貢献していくでしょう。

もう一度検索