第36回セザール賞

第36回セザール賞：2010年フランス映画の祭典

2011年2月25日に開催された第36回セザール賞は、2010年のフランス映画界を彩った作品を表彰する式典でした。授賞式のプレジデントには女優のジョディ・フォスター、司会には俳優のアントワーヌ・ドゥ・コーヌが選ばれ、会場は華やかな雰囲気に包まれました。

作品賞

作品賞には、以下の7作品がノミネートされました。

『神々と男たち』
『ゲンスブールと女たち』
『ハートブレイカー』
『戦争より愛のカンケイ』
『マムート』
『さすらいの女神たち』
『ゴーストライター』

この中で見事、作品賞に輝いたのは、修道士たちの厳しい生活と信仰を描いた感動的なドラマ『神々と男たち』でした。

監督賞

監督賞には、以下の5人がノミネートされました。

ロマン・ポランスキー - 『ゴーストライター』
マチュー・アマルリック - 『さすらいの女神たち』
オリヴィエ・アサヤス - 『カルロス』
グザヴィエ・ボーヴォワ - 『神々と男たち』
ベルトラン・ブリエ - 『Le Bruit des glaçons』

見事、監督賞を受賞したのは、サスペンスフルな政治ドラマ『ゴーストライター』を監督したロマン・ポランスキーでした。

主演男優賞

主演男優賞には、以下の5人がノミネートされました。

エリック・エルモスニーノ - 『ゲンスブールと女たち』
ジェラール・ドパルデュー - 『マムート』
ロマン・デュリス - 『ハートブレイカー』
ジャック・ガンブラン - 『戦争より愛のカンケイ』
ランベール・ウィルソン - 『神々と男たち』

この中で、圧倒的な存在感で天才音楽家を演じたエリック・エルモスニーノが『ゲンスブールと女たち』で主演男優賞を受賞しました。

主演女優賞

主演女優賞には、以下の5人がノミネートされました。

サラ・フォレスティエ - 『戦争より愛のカンケイ』
イザベル・カレ - 『匿名レンアイ相談所』
カトリーヌ・ドヌーヴ - 『しあわせの雨傘』
シャルロット・ゲンズブール - 『L'Arbre』
クリスティン・スコット・トーマス - 『サラの鍵』

見事、主演女優賞に輝いたのは、コミカルな演技も魅力的なサラ・フォレスティエでした。

助演男優賞

助演男優賞には、以下の5人がノミネートされました。

マイケル・ロンズデール - 『神々と男たち』
ニエル・アレストリュプ - 『ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者』
フランソワ・ダミアン - 『ハートブレイカー』
ジル・ルルーシュ - 『君のいないサマーデイズ』
オリヴィエ・ラブルダン - 『神々と男たち』

この中で、重厚な演技で作品を支えたマイケル・ロンズデールが『神々と男たち』で助演男優賞を受賞しました。

助演女優賞

助演女優賞には、以下の5人がノミネートされました。

アンヌ・アルヴァロ - 『Le Bruit des glaçons』
ヴァレリー・ボネトン - 『君のいないサマーデイズ』
レティシア・カスタ - 『ゲンスブールと女たち』
ジュリー・フェリエ - 『ハートブレイカー』
カリン・ヴィアール - 『しあわせの雨傘』

見事、助演女優賞に輝いたのは、その存在感と演技力で多くのファンを魅了するアンヌ・アルヴァロでした。

有望男優賞

有望男優賞には、以下の5人がノミネートされました。

エドガー・ラミレス - 『カルロス』
アルチュール・デュポン - 『バス・パラディアム』
グレゴワール・ルプランス＝ランゲ - 『La Princesse de Montpensier』
ピオ・マルマイ - 『愛と冷たい水』
ラファエル・ペルソナ - 『La Princesse de Montpensier』

この中で、鮮烈な印象を残したエドガー・ラミレスが『カルロス』で有望男優賞を受賞しました。

有望女優賞

有望女優賞には、以下の5人がノミネートされました。

レイラ・ベクティ - 『きらきらしてる』
アナイス・ドゥムースティエ - 『愛と冷たい水』
オードリー・ラミイ - 『きらきらしてる』
レア・セドゥ - 『美しき棘』
Yahima Torres - 『黒いヴィーナス』

見事、有望女優賞に輝いたのは、その自然な演技が評価されたレイラ・ベクティでした。

第一回作品賞

第一回作品賞には、以下の5作品がノミネートされました。

『ゲンスブールと女たち』
『ハートブレイカー』
『消えたシモン・ヴェルネール』
『トルコ人の頭』
『きらきらしてる』

第一回作品賞を受賞したのは、音楽家の生涯を描いた伝記映画『ゲンスブールと女たち』でした。

脚色賞

脚色賞には、以下の5作品がノミネートされました。

ロバート・ハリス、ロマン・ポランスキー - 『ゴーストライター』
ジュリー・ベルトゥチェリ - 『L'Arbre』
ジャン・コスモ、ベルトラン・タヴェルニエ - 『La Princesse de Montpensier』
エリック・ラティゴ、ローラン・ド・バルティヤ - 『ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者』
フランソワ・オゾン - 『しあわせの雨傘』

見事、脚色賞を受賞したのは、緻密な構成で観客を魅了した『ゴーストライター』でした。

脚本賞

脚本賞には、以下の5作品がノミネートされました。

バヤ・カスミ、ミシェル・ルクレール - 『戦争より愛のカンケイ』
マチュー・アマルリック、Philippe Di Folco、Marcelo Novias Teles、ラファエル・ヴァルブリュンヌ - 『さすらいの女神たち』
ベルトラン・ブリエ - 『Le Bruit des glaçons』
エチエンヌ・コマール、グザヴィエ・ボーヴォワ - 『神々と男たち』
ブノワ・ドゥレピーヌ、ギュスタヴ・ケルヴェン - 『マムート』

この中で、社会問題を背景にしたヒューマンドラマの『戦争より愛のカンケイ』が脚本賞を受賞しました。

撮影賞

撮影賞には、以下の5作品がノミネートされました。

カロリーヌ・シャンプティエ - 『神々と男たち』
クリストフ・ボーカルヌ - 『さすらいの女神たち』
パヴェル・エデルマン - 『ゴーストライター』
ブリュノ・ド・ケイゼル - 『La Princesse de Montpensier』
ギョーム・シフマン - 『ゲンスブールと女たち』

見事、撮影賞を受賞したのは、映像美で観客を魅了したカロリーヌ・シャンプティエでした。

編集賞

編集賞には、以下の5作品がノミネートされました。

エルヴェ・ド・リューズ - 『ゴーストライター』
リュック・バルニエ - 『カルロス』
アネット・デュテルトル - 『さすらいの女神たち』
マリー＝ジュリー・マイユ - 『神々と男たち』
マリリーヌ・モンティウ - 『ゲンスブールと女たち』

この中で、作品のテンポを巧みに作り出したエルヴェ・ド・リューズが『ゴーストライター』で編集賞を受賞しました。

音響賞

音響賞には、以下の5作品がノミネートされました。

Daniel Sobrino、Jean Goudier、Cyril Holtz - 『ゲンスブールと女たち』
Philippe Barbeau、Jerome Wiciak、Florent Lavallee - 『オーシャンズ』
Jean-Marie Blondel、Thomas Desjonquieres、Dean Humphreys - 『ゴーストライター』
Jean-Jacques Ferran、Vincent Guillon、Éric Bonnard - 『神々と男たち』
Olivier Mauvezin、Séverin Favriau、Stéphane Thiebaut - 『さすらいの女神たち』

見事、音響賞を受賞したのは、音楽の魅力を最大限に引き出したDaniel Sobrino、Jean Goudier、Cyril Holtzでした。

作曲賞

作曲賞には、以下の6作品がノミネートされました。

アレクサンドル・デスプラ - 『ゴーストライター』
ブリュノ・クーレ - 『オーシャンズ』
グレゴワール・エッツェル - 『L'Arbre』
デルフィーヌ・マントゥレ、トニー・ガトリフ - 『Korkoro』
ヤロル・プポー - 『バス・パラディアム』
フィリップ・サルド - 『La Princesse de Montpensier』

見事、作曲賞を受賞したのは、物語を盛り上げたアレクサンドル・デスプラでした。

衣裳デザイン賞

衣裳デザイン賞には、以下の5作品がノミネートされました。

カロリーヌ・ド・ヴィヴェーズ - 『La Princesse de Montpensier』
オリヴィエ・ベリオ - 『アデル/ファラオと復活の秘薬|アデル_ファラオと復活の秘薬』
パスカリーヌ・シャヴァンヌ - 『しあわせの雨傘』
Alexia Crisp-Jones - 『さすらいの女神たち』
マリエル・ロボー - 『神々と男たち』

この中で、時代考証に基づいた美しい衣装が評価されたカロリーヌ・ド・ヴィヴェーズが衣裳デザイン賞を受賞しました。

美術賞

美術賞には、以下の5作品がノミネートされました。

ユーグ・ティサンディエ - 『アデル/ファラオと復活の秘薬|アデル_ファラオと復活の秘薬』
ミシェル・バルテレミ - 『神々と男たち』
ジー＝クロード・フランソワ - 『La Princesse de Montpensier』
アルブレヒト・コンラート - 『ゴーストライター』
クリスティアン・マルティ - 『ゲンスブールと女たち』

見事、美術賞を受賞したのは、時代劇の世界観を忠実に再現したユーグ・ティサンディエでした。

ドキュメンタリー賞

ドキュメンタリー賞には、以下の5作品がノミネートされました。

『オーシャンズ』
『ベンダ・ビリリ!〜もう一つのキンシャサの奇跡』
『Cleveland contre Wall Street』
『私たちの手に』
『イヴ･サンローラン』

この中で、自然の美しさを捉えた『オーシャンズ』がドキュメンタリー賞を受賞しました。

アニメ映画賞

アニメ映画賞には、以下の5作品がノミネートされました。

『イリュージョニスト』
『アーサーとふたつの世界の決戦』
『ゴルディーニ車にのった男』
『Logorama』
『パリ猫ディノの夜』

見事、アニメ映画賞を受賞したのは、手書きアニメーションの魅力が詰まった『イリュージョニスト』でした。

短編映画賞

短編映画賞には、以下の5作品がノミネートされました。

『Logorama』
『ムッシュー・ラベ』
『小さな仕立て屋』
『Un Transport En Commun』
『ひよこちゃん、いくら?』

この中で、斬新な映像表現が評価された『Logorama』が短編映画賞を受賞しました。

外国映画賞

外国映画賞には、以下の7作品がノミネートされました。

『ソーシャル・ネットワーク』
『胸騒ぎの恋人』
『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』
『瞳の奥の秘密』
『イリーガル』
『インセプション』
『インビクタス/負けざる者たち|インビクタス_負けざる者たち』

見事、外国映画賞を受賞したのは、SNSの裏側を描いた衝撃作『ソーシャル・ネットワーク』でした。

特別賞

この年は、映画界に多大な貢献をしたとして、クエンティン・タランティーノに特別賞が贈られました。



第36回セザール賞は、2010年のフランス映画界を代表する数々の作品と、それらを支えた才能を称える素晴らしい祭典となりました。



参考文献：
* Palmarès 2011 - 36 ème cérémonie des César - 受賞結果（セザール賞公式サイト内）

もう一度検索