第38回ニューヨーク映画批評家協会賞

第38回ニューヨーク映画批評家協会賞

「第38回ニューヨーク映画批評家協会賞」は、1972年に公開された映画の中で特に優れた成果を収めた作品や映画製作者たちに贈られた栄誉ある賞です。その受賞結果は、翌年の1973年1月3日にニューヨークの映画批評家たちの間で決定・発表されました。この年の選考では、特定の作品が複数の主要部門を制覇する結果となり、映画界に大きな影響を与えました。

主な受賞作品と受賞者

この回のニューヨーク映画批評家協会賞で特に注目されたのは、スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督による作品『叫びとささやき』でした。同作は最高賞にあたる作品賞を受賞し、この年の映画を代表する存在として高く評価されました。

また、『叫びとささやき』は作品賞にとどまらず、以下の主要な部門でも受賞を果たしています。

監督賞: イングマール・ベルイマン - 自身の監督作『叫びとささやき』で、その手腕が高く評価されました。
脚本賞: イングマール・ベルイマン - 『叫びとささやき』の独創的で深みのある脚本が認められました。
撮影賞: スヴェン・ニクヴィスト - 『叫びとささやき』における映像美とカメラワークが絶賛されました。
主演女優賞: リヴ・ウルマン - 『叫びとささやき』での演技が主演女優として最も優れていると評価されました。

このように、『叫びとささやき』は作品賞を含む5部門で受賞するという圧倒的な強さを見せました。ベルイマン監督自身も監督賞と脚本賞を同時に受賞するなど、その創作性が高く評価された年となりました。

その他の主要な演技部門の受賞者は以下の通りです。

主演男優賞: ローレンス・オリヴィエ - 映画『探偵スルース』での演技が受賞の対象となりました。
助演男優賞: ロバート・デュヴァル - 映画史に残る名作『ゴッドファーザー』における演技が高く評価されました。
* 助演女優賞: ジーニー・バーリン - 映画『ふたり自身』での演技が助演女優として認められました。

また、この年の特別賞は、ドキュメンタリー映画『The Sorrow and the Pity』（邦題: 悲しみと憐み）に贈られました。歴史的な出来事を深く掘り下げたこの作品は、ドキュメンタリーの分野で特筆すべき成果として評価されました。

第38回ニューヨーク映画批評家協会賞は、『叫びとささやき』の圧倒的な受賞が際立つ結果となりましたが、他の部門でもローレンス・オリヴィエ、ロバート・デュヴァル、ジーニー・バーリンといった名優たちの演技が称えられ、1972年の映画界の多様な才能に光が当てられました。

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