第38回ロサンゼルス映画批評家協会賞

第38回ロサンゼルス映画批評家協会賞：2012年映画界を彩った作品と才能

2012年12月9日、ハリウッドの輝きをさらに増すべく、第38回ロサンゼルス映画批評家協会賞の受賞結果が発表されました。この賞は、ロサンゼルス映画批評家協会が、その年に公開された優れた映画作品を表彰する権威ある賞として知られています。

今年の受賞作は、多様なジャンルや国籍の作品がノミネートされており、映画界の多様性を反映する結果となりました。各部門の受賞者、そして惜しくも受賞を逃したものの高い評価を得た作品の数々を紹介しましょう。

主要部門：作品賞から脚本賞まで

作品賞には、ミシェル・アザナヴィシウス監督による繊細な人間ドラマ『愛、アムール』が輝きました。一方、次点にはポール・トーマス・アンダーソン監督の傑作『ザ・マスター』が選ばれ、その高い評価が伺えます。

監督賞は、『ザ・マスター』で独特の世界観を構築したポール・トーマス・アンダーソンが受賞。彼の類まれな演出力が高く評価されました。次点には、緊迫感あふれる演出で高い評価を受けたキャスリン・ビグロー監督（『ゼロ・ダーク・サーティ』）が名を連ねています。

主演男優賞は、『ザ・マスター』で複雑な役柄を見事に演じきったホアキン・フェニックスが受賞。彼の圧倒的な演技力は批評家たちを魅了しました。一方、フランス映画『ホーリー・モーターズ』で印象的な演技を見せたドニ・ラヴァンが次点に選ばれました。

主演女優賞は、ジェニファー・ローレンス（『世界にひとつのプレイブック』）とエマニュエル・リヴァ（『愛、アムール』）のダブル受賞という結果に。二人の異なる魅力と演技力が、審査員の心を掴んだと言えるでしょう。

助演男優賞は、『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』で心温まる演技を見せたドワイト・ヘンリーが受賞。彼の存在感溢れる演技が評価されました。次点には、『ジャンゴ 繋がれざる者』で強烈な印象を残したクリストフ・ヴァルツが選ばれました。

助演女優賞は、『ザ・マスター』で繊細な演技を見せたエイミー・アダムスが受賞。彼女の演技力は、作品全体を支える重要な要素となりました。次点には、アン・ハサウェイ（『ダークナイト ライジング』、『レ・ミゼラブル』）が選ばれ、彼女の幅広い演技力が再確認されました。

脚本賞は、『アルゴ』で緻密な脚本を書き上げたクリス・テリオが受賞。スリリングな展開と巧みな構成が高く評価されました。次点には、『世界にひとつのプレイブック』で人間ドラマを繊細に描いたデヴィッド・O・ラッセルが選ばれました。

その他の部門：撮影、美術、編集、音楽など

撮影賞は、ロジャー・ディーキンス（『007 スカイフォール』）が受賞。彼の卓越した撮影技術は、作品に風格を与えました。

美術賞は、『ザ・マスター』のデヴィッド・クランクとジャック・フィスクが受賞。彼らの作品への貢献は、映画全体の雰囲気を決定付けるものでした。

編集賞は、『ゼロ・ダーク・サーティ』のディラン・ティチェナーとウィリアム・ゴールデンバーグが受賞。彼らの編集技術は、作品に緊張感とリズムを与えました。

音楽賞は、『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』のベン・ザイトリンとダン・ローマーが受賞。彼らの音楽は、作品の世界観を深く表現していました。

国際色豊かな受賞作品：外国語映画賞、ドキュメンタリー賞

外国語映画賞は、フランス映画『ホーリー・モーターズ』が受賞。独創的な映像表現とストーリー展開が評価されました。

ドキュメンタリー/ノンフィクション映画賞は、『The Gatekeepers』が受賞。重要な社会問題を深く掘り下げた作品が高く評価されました。

アニメーションと新進気鋭の才能：アニメ映画賞、新人賞

アニメ映画賞は、『フランケンウィニー』が受賞。ティム・バートン監督の独特の世界観が再び高い評価を得ました。

新人賞は、『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』で監督デビューを果たしたベン・ザイトリンが受賞。彼の才能は、今後の映画界を担うものとして期待されています。

映画界への貢献：功労賞、実験映画賞

功労賞は、フレデリック・ワイズマンとダグラス・エドワードが受賞。長年に渡る映画界への貢献が称えられました。

ダグラス・エドワード実験/自主映画賞は、『Leviathan』が受賞。実験的な試みと高い芸術性が評価されました。

このように、第38回ロサンゼルス映画批評家協会賞は、2012年の映画界を代表する作品と才能を改めて示す、記憶に残る授賞式となりました。受賞作品は、映画ファンにとって必見の作品ばかりです。

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