第4回東京国際映画祭

第4回東京国際映画祭：1991年の映画界を彩った10日間

1991年、東京国際映画祭は第4回目を迎えました。9月27日から10月6日までの10日間、活気に満ちた映画の祭典が開催され、世界中から注目を集めました。

輝ける受賞作品たち

この年の東京国際映画祭を彩ったのが、数々の優れた映画作品です。インターナショナル・コンペティション部門では、ジョン・セイルズ監督の『希望の街』が最高賞である東京グランプリ・都知事賞に輝きました。同部門では、他に審査員特別賞にエドワード・ヤン監督の『牯嶺街少年殺人事件』とホワン・チェンチョン監督の『過ぎにし年・迎えし年』が選出されました。

監督賞、俳優賞といった主要部門でも実力者たちが受賞しました。最優秀監督賞はアラン・パーカー監督（『ザ・コミットメンツ』）、最優秀女優賞は『過ぎにし年・迎えし年』で素晴らしい演技を見せたシャオ・リーロン（趙麗蓉）、そして最優秀男優賞にはオタール・メグヴィネトゥツェシ（『汝、去るべし』）が選ばれました。芸術面での貢献も称えられ、斎藤岩男氏（美術、『四万十川』）と安藤庄平氏（撮影、『四万十川』）が最優秀芸術貢献賞を受賞しました。脚本賞はティム・メットカーフ（『アイアンメイズ　ピッツバーグの幻想』）が受賞しました。

ヤングシネマコンペティション部門では、ジャン＝ピエール・ジュネ監督とマルク・キャロ監督の『デリカテッセン』が東京ゴールド賞・都知事賞を受賞し、若手監督たちの才能が注目を集めました。同部門では、イェ・ホンウェイ監督（『ファイブ　ガールズ　アンド　ア　ロープ』）、ジョスリン・ムーアハウス監督（『プルーフ・証拠』）が東京シルバー賞を、ウォルフガング・ムルンベルガー監督（『天国か地獄か』）とミゲル・ペレイラ監督（『最後の収穫』）が東京ブロンズ賞を受賞しました。

更には、巨匠サタジット・レイ監督が特別功労賞を受賞し、映画史に名を刻んだ監督への敬意が示されました。国際映画批評家連盟賞は、エドワード・ヤン監督の『牯嶺街少年殺人事件』が受賞しました。

審査員たち

国際的な映画祭である東京国際映画祭を支えたのは、錚々たる審査員たちでした。インターナショナル・コンペティション部門の審査委員長にはルイス・ギルバート監督、審査員にはアンドレイ・プラホフ、ナタリー・バイ、シエ・チン、ピエール・スペングラー、ジェームズ・クラーク、品田雄吉らが名を連ねました。ヤングシネマ・コンペティション1991部門では、エドワード・R・プレスマンが審査委員長を務め、ジャンニ・ロンドリーノ、クリスティーン・ハキム、ピーター・ヒューイット、木村威夫らが審査員を務めました。

多様な上映作品

インターナショナル・コンペティション、ヤングシネマ・コンペティションに加え、アジア秀作映画週間や特別招待作品、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門作品、そして「NIPPON CINEMA NOW」と、多彩なプログラムが観客を魅了しました。

第4回東京国際映画祭は、国際的な視点と日本の映画界の活力を融合させた、記憶に残る映画祭となりました。受賞作品群は、1991年の映画界を代表する作品群として、現在も高い評価を得ています。

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