第41回世界遺産委員会

第41回世界遺産委員会の概要

第41回世界遺産委員会は、2017年7月2日から7月12日までポーランドのクラクフで行われました。ポーランドでの開催はこれが初めてとなります。クラクフは、ユネスコの世界遺産リストに登録された最初の都市の一つであり、その豊かな歴史と文化が評価されています。このイベントは、2014年に完成したICEクラクフ・コングレス・センターで行われ、開会式はヴァヴェル城で、閉会式は交通博物館で行われました。

この会議では、文化遺産18件と自然遺産3件、合わせて21件が新たに世界遺産リストに登録され、総数は1,073件となりました。新たに登録された国は、アンゴラとエリトリアの2カ国であり、これにより世界遺産条約に加盟している193カ国の中で、世界遺産を保有していない国は26になりました。

審議対象の物件

委員国に基づく地域区分はUNESCOの定めに従い、審議対象となった物件のうち、すでに登録済みの件に関する拡大申請や変更も含まれています。特に、太字で示された物件は公式に登録され、次回の委員会での審議が注目されています。

自然遺産の登録

• - 今回は新たに3件の自然遺産が認定されましたが、具体的な名称は記載されていません。自然遺産には、全体としてその場所の生態系や地理的特徴が大事にされており、これらの登録は国際的な認知を得る上で重要です。

文化遺産の登録

• - 文化遺産についても多くの新規登録が行われ、それぞれの地域における歴史的な価値が評価されました。特に、ヨーロッパの歴史的な都市や文化的な遺産が多く選ばれています。

複合遺産

• - 複合遺産としての登録は行われませんでしたが、自然環境と文化環境の両方に価値を持つ特定の地域が議論されました。

緊急案件および危機遺産

危機遺産に関しては、シミエン国立公園（エチオピア）、コモエ国立公園（コートジボワール）、ゲラティ修道院（ジョージア）などがリストから除去され、一方でウィーン歴史地区（オーストリア）やヘブロン旧市街（パレスチナ）が新たにリストに追加されました。これらの登録や除去は、地域の政治や環境、社会状況によるものであり、委員会の審議には様々な意見が存在します。

その他の議論

また、多くの議題が提起され、特にビャウォヴィエジャの森における害虫駆除とその結果としての環境影響が問題として取り上げられました。この件では、賛否の意見がぶつかり合い、デモ活動が行われる事態にもなりました。結果として、今後の審議が予定されています。

さらに、気候変動に関する懸念が強まり、世界遺産がどのように気候変動の影響を受けるか、またそれに対する対策が重要視されました。これは、持続可能な発展と文化遺産の保護が求められる現代において、非常に重要な議題となっています。

この委員会を通じて、次回の開催地は決定が先送りとなり、バーレーンのマナーマで行われることが後に公式に発表されました。全体として、クラクフでの第41回世界遺産委員会は、国際的な文化遺産の保存と自然環境保護に向けた重要な一歩となりました。

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