第45回世界卓球選手権個人戦

第45回世界卓球選手権個人戦概要

第45回世界卓球選手権個人戦は1999年の8月2日から9日まで、オランダのアイントホーフェンで行われました。この大会は、当初1999年4月26日から5月9日までユーゴスラビア・ベオグラードで予定されていましたが、コソボ・メトヒヤ自治州の紛争が悪化したため、スウェーデンの卓球協会がボイコットをする事態となりました。国際卓球連盟は、選手の安全を考慮し、大会を中止することを決定し、個人戦と団体戦を分けて開催する措置を取りました。団体戦は2000年2月にマレーシア・クアラルンプールで行われることになりました。

この経緯から、世界卓球選手権の運営体制に見直しが入る結果となりました。元のスケジュールに従って、個人戦と団体戦が2週間で行われるのは選手に過度な負担となるため、今後は個人戦と団体戦を分けて実施する方針が取られることが決まりました。すなわち、奇数年には個人戦、偶数年には団体戦が行われることになったのです。

実施された種目と結果

この大会では、男子シングルス、男子ダブルス、女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの5種目が行なわれました。

男子シングルス

金メダルは劉国梁、銀メダルは馬琳が獲得しました。ベスト4にはスウェーデンのヤン＝オベ・ワルドナーとオーストリアのヴェルナー・シュラガーも名を連ね、特に中国選手の強さが際立った結果となりました。

女子シングルス

女子シングルスでは王楠が金メダル、張怡寧が銀メダルを獲得し、ベスト4に中国国籍の選手が3人入るなど、卓球王国の強さが顕著に見られました。韓国選手の柳智恵もベスト4入りし、国際舞台での健闘が窺えました。

男子ダブルス

男子ダブルスでは劉国梁・孔令輝組が金メダルを制覇しました。銀メダルは王励勤・閻森組（中国）、さらにベスト4には韓国の金擇洙・朴相俊組も名を刻み、競技のレベルの高さが伺えます。

女子ダブルス

女子ダブルスでも、中国勢が金メダルと銀メダルを獲得し、王楠・李菊組が金、楊影・孫晋組が銀を手にしました。ここでも中国選手の圧勝が続き、特にベスト4には井の中の中国選手しかいなかったことから、卓球界における中国の強さを示す結果となりました。

混合ダブルス

混合ダブルスでは馬琳・張瑩瑩組が金メダル、馮哲・孫晋組が銀メダルを獲得しました。ベスト4も全て中国ペアで占められ、卓球界における中国の支配が際立つ大会となったことは間違いありません。

日本選手の成績

日本から参加した選手は13名。男子シングルスでは偉関晴光が3回戦まで進出しました。男子ダブルスでは松下浩二・渋谷浩組が最高の成績を残し、3回戦（ベスト16）で敗れました。一方、女子シングルスでは小山ちれがベスト16、シングルスに出た選手すべてがベスト32に進出するなど、女子選手の活躍も光りました。特に坂田倫子は後に世界選手権3位になるタマラ・ボロシュを破る快挙を成し遂げました。女子ダブルスでは坂田倫子・内藤和子組と小西杏・藤沼亜衣組が共にベスト16でした。
また、混合ダブルスに参加した高校生ペアの三田村宗明・藤沼亜衣組は4回戦まで勝ち進むことに成功しました。大会後、日本卓球協会は選手たちの成績により、男子監督の解雇を発表し、新たに前原正浩が指名されました。

このように、1999年の第45回世界卓球選手権個人戦は、中国選手の圧倒的強さとともに、日本選手も様々な挑戦を見せた大会となりました。

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