第47回国民体育大会

第47回国民体育大会（べにばな国体）

1992年に開催された第47回国民体育大会は、史上5回目の完全国体として位置づけられています。この大会は「べにばな国体」というテーマのもと、スローガンとして「思いっきり躍動 21世紀の主役たち」が掲げられました。開催時の代表者である山形県の知事は板垣清一郎氏であり、選手たちの熱い戦いが展開されました。

この国体の開催に合わせて、地域のインフラ整備も大幅に進められました。庄内空港が新たに開港し、山形新幹線が開業、さらに山形自動車道の村田JCTから寒河江ICまでの区間も開通しました。これにより、高速交通網が整備され、地域全体の活性化につながったのです。

大会概要

マスコットキャラクター

大会の宣伝キャラクターとして「たいきくん」が登場しました。特に北山形駅前の小便小僧がたいきくんの衣装を身にまとい、大会の盛り上げに貢献しました。

イメージソング

大会のイメージソングには、歌手の徳永英明による「風の言葉」が選ばれ、音楽は坪井伸親氏が担当しました。

注目選手

この大会では、多くの注目選手が活躍しました。特に、後にハンマー投の金メダリストとなる室伏広治選手は、やり投げに出場し、初心者とは思えない身体能力を発揮して2位に入賞しました。また、高校野球の決勝戦では、星稜高校の松井秀喜選手が60本目のホームランを打ち、試合を制しました。さらに、華原朋美選手は障害馬術のトップスコア競技（少年の部）で4位に入賞するなど、若手選手たちの素晴らしい活躍が目立ちました。

開会式での発煙筒事件

10月5日には、山形県総合運動公園の陸上競技場（現：NDソフトスタジアム山形）で開催された開会式において、重大な事件が発生しました。第125代天皇である上皇明仁が「おことば」を述べている最中に、新左翼系党派「統一共産同盟」の活動家による抗議行動が起こり、発煙筒が投げ込まれました。この発煙筒は、天皇皇后夫妻に直接は届かず、トラック内に落ちたため、夫妻に怪我はありませんでしたが、要人警護体制の不備が浮き彫りとなり、後に山形県警警備部長が辞表を提出する事態にまで発展しました。

実施競技と総合成績

この大会では、多彩な競技が実施されました。総合成績では、天皇杯と皇后杯のいずれも山形県が1位を獲得し、東京都と愛知県がそれぞれ2位と3位にランクインしました。特に地元山形県の選手たちの活躍が目を引きました。

まとめ

第47回国民体育大会は、地域のインフラ整備を促進するだけでなく、多くの記憶に残る選手の活躍や事件が起こった大会として、今でも語り草となっています。この大会は、参加選手たちの士気を高め、21世紀に向けた新たなスポーツ文化を築く重要な一歩となったことでしょう。

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