第6回統一地方選挙

第6回統一地方選挙

第6回統一地方選挙は、1967年4月15日と4月28日の二度に分けて投票が行われた日本の地方公共団体における首長および議会議員の合同選挙です。これは、1947年の日本国憲法下での地方自治制度発足以来、六度目にあたる大規模な選挙となりました。

選挙の背景と注目の焦点

この選挙では、全国で約4万4000名の首長と議員が改選されました。当時の政治情勢を反映し、いくつかの点が大きな関心を集めました。まず、前年1月に行われた第31回衆議院議員総選挙で顕著になった日本の政治における多党化傾向が、地方議会にどのような変化をもたらすのかという点です。また、1966年後半から中央政界を揺るがしていた、いわゆる「黒い霧事件」に関連する問題が地方政治にも波及しており、これらの問題に対する有権者の判断が注目されました。

さらに、この選挙は、戦後生まれの世代が初めて選挙権（満20歳）を行使できるようになった最初の統一地方選挙であり、若い世代の投票行動にも関心が寄せられました。

投票日程と対象となった選挙

選挙は以下のように二つの投票日に分けて実施されました。

1967年4月15日投票
都道府県知事選挙：18都道府県で実施されました（北海道、岩手、秋田、茨城、神奈川、千葉、東京、長野、福井、大阪、三重、和歌山、島根、福岡、佐賀、大分、宮崎、鹿児島）。
都道府県議会議員選挙：45都道府県で行われ、定数2558名が改選されました。ただし、前年に黒い霧事件に関連して自主解散した茨城県議会は統一選の日程から外れ、米軍施政下にあった沖縄県でも実施されませんでした。また、1965年に同様に黒い霧事件が原因で自主解散した東京都議会では、補欠選挙のみが実施されました。
政令指定都市市長選挙：横浜市と大阪市の2市で実施されました。
政令指定都市市議会議員選挙：横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市の5市で実施されました。
東京都特別区議会議員選挙：22の特別区で実施されました。

1967年4月29日投票
この日は、広範な地方選挙が行われました。市長選挙は154市、市議会議員選挙は336市（補欠含む）、町村長選挙は993町村、町村議会議員選挙は1525町村で実施されました。
* なお、この日程に合わせて、亀井光参議院議員（自民党）の福岡県知事選出馬に伴う参議院福岡県選挙区の補欠選挙も実施されています。

選挙結果の傾向

4月15日に投票が行われた知事選挙では、立候補した現職14名のうち12名が当選し、現職の強さが示されました。特に、秋田県の小畑勇二郎氏、大分県の木下郁氏、三重県の田中覚氏が4選を果たし、北海道、茨城、長野、大阪、島根、佐賀、宮崎の各県では3選知事が誕生するなど、多選が進む状況も見られました。一方、東京都知事選挙では、社会党と共産党が推薦した美濃部亮吉氏が当選し、いわゆる革新都政が誕生しました。対照的に、福岡県では当時唯一の社会党員知事であった鵜崎多一氏が議席を失っています。

都道府県議会議員選挙では、自民党が主に都市部で議席を減らしたものの、社会党は改選前から79議席を増加させるなど勢いを増しました。また、公明党、共産党、民社党も着実に議席数を伸ばしており、この結果は地方議会においても多党化の傾向が強まったことを示しています。

4月29日投票の市長選挙においては、現職市長の当選率が75％を超えるなど、ここでも現職の優位が見られました。しかし、姫路市長選挙で6選を目指した現職が落選したり、5選を目指した他の2名の現職も敗れるなど、多選に対する有権者の厳しい視線が示される結果も出ています。

投票率は、都道府県知事選挙が68.70％、都道府県議会議員選挙が71.48％、市町村長選挙が76.30％、市町村議会議員選挙が76.87％でした。

第6回統一地方選挙は、中央政治の変動や社会の変化を反映し、地方政治にも多党化や革新勢力の台頭といった新たな動きをもたらす画期的な選挙となりました。

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