第65回凱旋門賞

1986年10月5日、フランスのパリロンシャン競馬場。芝2400メートルのコースで繰り広げられた第65回凱旋門賞は、競馬史に輝く一戦となりました。

この年の優勝馬は、イギリス調教の3歳牡馬、ダンシングブレーヴ。名手パット・エデリー騎手とのコンビで、見事な勝利を収めました。記録されたタイムは2分27秒7。これは当時、凱旋門賞のレースレコードとなるものでした。以前のレコードは、1980年にデトロワが記録した2分28秒0でした。ダンシングブレーヴは、この記録的なタイムによって、凱旋門賞の歴史に名を刻むこととなりました。

このレースは、その参加馬の質の高さが際立っていました。出走した15頭のうち、11頭がG1競走の優勝馬という、まさに豪華なメンバーが顔を揃えました。そのため、この第65回凱旋門賞は、歴代の中でも最も競争レベルの高いレースの一つとして、現在も語り継がれています。多くの競馬関係者やファンが、このレースの激しさ、そしてダンシングブレーヴの圧倒的な強さを記憶しています。

ダンシングブレーヴの走り、そしてこのレース全体は、後世まで語り継がれる名勝負として評価されています。2022年には、レーシング・ポスト誌の読者投票で「Greatest ever horse race（史上最高の競馬レース）」に選出されるなど、その高い評価は揺るぎません。このレースは、競馬史に刻まれた金字塔として、永遠に輝き続けることでしょう。

日本からは、シリウスシンボリが出走しました。5歳馬だったシリウスシンボリは、4歳秋から欧州遠征を行い、凱旋門賞のステップレースとして知られるフォワ賞では2着に入っていました。当初は、シンボリルドルフに帯同する形で遠征が予定されていましたが、シンボリルドルフがアメリカのサンルイレイステークス後に故障したため、シリウスシンボリは単独での挑戦となりました。

レースの詳細情報は以下の通りです。

スポンサー: Trusthouse Forte
賞金総額: 6,800,000FRF（1着賞金4,000,000FRF）
馬場状態: 良
走行距離: 2,400m
出走頭数: 15頭
レースタイム: 2:27.7 (新レコード)

勝利したダンシングブレーヴの血統情報は次のとおりです。

性別: 牡馬
生年月日: 1983年5月11日
所属国: アメリカ合衆国
父馬: Lyphard
母馬: Navajo Princess (Drone)
オーナー: Prince Khalid Bin Abdullah
* 生産牧場: Glen Oak Farm

この第65回凱旋門賞は、ダンシングブレーヴの偉大な勝利、そして歴史的なレースレコード、そして豪華な出走メンバーによって、競馬史に燦然と輝く一戦となりました。その興奮と感動は、今も多くの競馬ファンの心に刻まれています。また、このレースは、日本調教馬の海外遠征の歴史においても重要な位置を占めており、シリウスシンボリの挑戦は、日本の競馬界に大きな影響を与えました。 将来、このレースを題材とした研究や分析、そして新たな視点からの考察がなされることで、その価値はさらに高まることでしょう。

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