第67回ニューヨーク映画批評家協会賞

第67回ニューヨーク映画批評家協会賞は、2001年に公開された数々の優れた映画作品を対象に、ニューヨークの映画批評家たちがその年を代表する傑作を選出し、表彰するために開催されました。この授賞式は、例年その年の年末に結果が発表され、多くのアメリカ国内の映画賞の中でも、その権威と歴史から特に注目を集めています。第67回は、2001年12月13日に受賞結果が公にされました。

各部門の受賞結果は以下の通りです。

主要部門

作品賞: デヴィッド・リンチ監督の不可解で独創的なミステリー映画『マルホランド・ドライブ』が最高栄誉に輝きました。その挑戦的な物語構造と独特の雰囲気で、批評家たちの間で高い評価を得ました。

監督賞: ロバート・アルトマン監督に授与されました。彼が手がけた『ゴスフォード・パーク』は、1930年代のイギリスの貴族と使用人たちが織りなす人間模様を群像劇として描いた作品で、その巧みな演出力が称えられました。

主演男優賞: 『イン・ザ・ベッドルーム』で繊細な演技を見せたトム・ウィルキンソンが選出されました。

主演女優賞: 同じく『イン・ザ・ベッドルーム』で感情豊かな演技を披露したシシー・スペイセクが受賞しました。これにより、一作品から主演部門を独占するという快挙となりました。

助演男優賞: 『ゴーストワールド』に出演したスティーヴ・ブシェミが受賞しました。彼の個性的なキャラクター表現が高く評価されました。

助演女優賞: 『ゴスフォード・パーク』のヘレン・ミレンが受賞しました。作品賞を受賞したロバート・アルトマン監督の作品から、演技部門での受賞者が出ました。

その他の部門

脚本賞: 『ゴスフォード・パーク』のジュリアン・フェロウズに贈られました。この作品は、監督賞、助演女優賞と合わせて主要部門で複数の栄誉を得ています。

撮影賞: ウォン・カーウァイ監督の美しい映像世界が評価された『花様年華』に対して授与されました。受賞したのは、クリストファー・ドイルとリー・ピンビンの両名です。

第一回作品賞: 主演男優賞と主演女優賞を輩出した『イン・ザ・ベッドルーム』が受賞しました。新人監督のデビュー作に与えられるこの賞は、本作の評価の高さを示しています。

外国語映画賞: 『花様年華』（フランス／香港合作）が選ばれました。これは、国境を越えた映画芸術の傑作として評価されました。

ノン・フィクション映画賞: ドキュメンタリー映画部門では、『アニエスv.によるグリーナーズ』（原題: The Gleaners and I）が受賞しました。

アニメ映画賞: 『ウェイキング・ライフ』が輝きました。実写映像を元にロトスコープという技法で制作されたこの作品は、その実験的な映像表現と哲学的な内容で注目を集めました。

* 特別賞: ジャック・ドゥミ監督の作品群、『ローラ』と『天使の入り江』に対して贈られました。これは故人となった監督の映画史における功績を称えるものでしょう。

第67回ニューヨーク映画批評家協会賞は、『マルホランド・ドライブ』を最高の作品としながらも、『ゴスフォード・パーク』や『イン・ザ・ベッドルーム』、『花様年華』といった複数の作品がそれぞれの部門で高く評価される結果となりました。特に『ゴスフォード・パーク』は監督賞、脚本賞、助演女優賞を、『イン・ザ・ベッドルーム』は主演男優・女優賞と第一回作品賞を受賞し、その年の映画界における存在感を示しました。これらの受賞作品は、2001年の映画芸術の多様性と質の高さを象徴しています。

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