第7回東京優駿競走

第7回東京優駿競走の概要

第7回東京優駿競走（1938年5月29日）は、東京競馬場で行われた歴史的な競馬レースです。このレースでは、中村広騎手が騎乗するスゲヌマがクビ差で優勝を果たしました。日本ダービーとして初めて日本競馬会が施行したこの競走の背景には、当時の競馬界における様々な要因が絡んでいます。

レース施行時の状況

1938年、これまでの日本ダービーではトウルヌソル産駒とシアンモア産駒がそれぞれ3頭ずつ勝利を収めており、この年のダービーでもその影響が色濃く残っていました。特に注目されたのは、シアンモア産駒であるダツシングでした。ダツシングは幼駒時代に当時としては最高値で落札され、その期待に応え3連勝を果たしていました。しかし、レースの直前に脚部の不安から出走を辞退する残念な事態となり、競馬ファンを驚かせました。

そのほかにも同じシアンモア産駒としてアステリモアやクレオパトラ、そしてトウルヌソル産駒のタエヤマなど、注目すべき馬たちが名を連ねていました。特に、タエヤマは最終追い切りの内容が良く、一番人気に支持されていました。

競走名称の変更と施行条件

なお、1938年の競走は「東京優駿大競走」から「東京優駿競走」へと名称が変更され、新たな歴史の1ページを刻みました。また、レースの開催時期も若駒の成育状況を考慮し、従来の4月から5月に変更されました。出馬登録においては、3回の登録を済ませたうえで、5円の手数料を支払う必要があり、賞品に関しても優勝馬には金杯が作成できない事情から金杯料2500円と目録が授与されることになりました。これにより、よりスムーズなレース運営が期待されました。

競走結果とレース展開

1938年5月29日のレースは、天候は晴れ、馬場状態も良好という条件で行われました。

レースでは、最初にミネタカが先頭を行き、これにブルーボアーやタエヤマが続きました。レースの中盤からタエヤマが進出を開始し、4コーナー手前で先頭に立ちました。直線に入ると、タエヤマは逃げ込みを試みるものの、スゲヌマがインコースを巧みに突いて追い込み、最後の1ハロンでの激しい叩き合いの末、わずかにクビ差で競り勝ちました。3着には、保田隆芳騎手が騎乗するアステリモアが続きました。

勝ちタイムは2分33秒2で、前年の第6回東京優駿大競走の記録をわずかに上回るレコードタイムでした。レースの結果は競馬ファンにとって印象深いものとなり、この回の東京優駿競走は後世に語り継がれるレースとしてその名を刻むことになりました。

結論

第7回東京優駿競走は、競馬史における重要なイベントであり、その結果は競馬界におけるトウルヌソルとシアンモアという二大種牡馬の争いの象徴でもありました。このレースによって、さらなる競走馬の育成や競馬ファンの心を惹きつける要素が生まれ、今もなお記憶に残る日本ダービーの一つとなっています。

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