スゲヌマ

スゲヌマ（カーネーシービー）

スゲヌマ、あるいはカーネーシービーは、日本競馬界に名を刻む名馬です。彼は1935年に千明牧場で誕生し、特に1938年の東京優駿競走（日本ダービー）での優勝が注目されています。名前の由来は群馬県にある菅沼にちなんでいます。

生涯の歩み

スゲヌマは、3歳になると騎手兼調教師の中村広に預けられ、専門的な調教を受けました。彼の競走生活は、1938年4月に中山競馬場での新呼戦で始まりました。デビュー戦や第2戦は3着でしたが、3戦目からは見事に3連勝を達成し、ついには東京優駿競走へと駒を進めます。このレースでは、圧倒的な人気を誇るタエヤマを追い越し、4連勝を果たし、見事に優勝を飾りました。この年から、競走名が東京優駿大競走から東京優駿に変更されています。

しかし、彼の秋以降は波乱の展開が待っていました。東京優駿以降、スゲヌマは5連敗を喫し、横浜農賞ではヒサトモにわずかクビ差で2着となります。さらに、12月には第1回京都農林省賞典四歳呼馬（菊花賞）に出走することはありませんでした。

翌1939年、スゲヌマは初戦こそ2着でしたが、その後は帝室御賞典（春）を含む6連勝を達成します。この期間中、他の競走馬に対しても圧倒的な成績を残しました。しかし、11月に行われた目黒記念（秋）では、1位入線するも興奮剤の使用が発覚し、失格となるという事件が起きます。この事件がきっかけで、目黒記念を最後に引退することとなり、その後は種牡馬として新たな道を歩むことになります。

引退後

引退後はカーネーシービーの名で種牡馬として活躍し、1943年には日高種畜牧場に移りますが、1945年に廃用されることとなりました。終戦の混乱期もあり、その後の動向は不明で、種牡馬としての成績も振るわず、特に目を引く産駒は誕生しませんでした。

競走成績

スゲヌマの競走成績は以下の通りです。

• - 1938年（11戦4勝）

- 東京優駿競走 優勝
- 横浜農賞 2着

• - 1939年（12戦8勝）

- 帝室御賞典（春） 優勝
- 横浜特別、横浜農賞 優勝

評価とエピソード

スゲヌマは、20世紀の名馬大投票において306位にランクインしています。また、非常に大型の馬で、体重は500キログラム近くありました。主戦騎手兼調教師であった中村広は、スゲヌマの性格を「大きな体に対し、気分屋」と表現し、レースでのパフォーマンスはその日の気分によることが多かったと振り返っています。

さらに、彼の馬主である千明賢治の息子、千明康は1963年にメイズイで、孫の千明大作は1983年にミスターシービーを引き連れ、日本ダービーを制しました。これは、馬主の親子三代による日本ダービー制覇という特異な記録となっています。

また、スゲヌマが勝った帝室御賞典では、発走直前に出走資格のない馬が発覚し、急遽取り消しとなるというトラブルもありました。この事件は「御賞典に失態」という見出しで新聞に取り上げられるなど、波乱のエピソードとして語り継がれています。

スゲヌマは、その競走成績と共に、様々なエピソードを持つ馬として競馬史に名を残しました。

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