第72師団 (日本軍)

第72師団

第72師団は、1944年（昭和19年）に大日本帝国陸軍によって編成された師団の一つです。

沿革

1944年 4月4日、留守第2師団を基幹として仙台で編成されました。当時、国内に残っていた師団は、第43師団、第47師団、近衛第1師団のわずか3個師団のみで、第43師団はサイパンへの派遣が予定されていました。このような状況下で、第72師団は東部軍の指揮下に入り、仙台に配置されました。

翌1945年（昭和20年）2月1日には、新設された第11方面軍の戦闘序列に編入され、福島へ移駐しました。機動打撃師団として、関東や青森方面への増援を想定し、本土決戦に備える中で終戦を迎えることとなりました。

終戦後、同年10月までに復員（解散）しましたが、一部の人員は仙台師管区部隊に転属し、勤務を続けました。

師団概要

第72師団は、本土決戦に備えるための機動打撃師団として編成されました。その主な任務は、敵の上陸に備えて迅速に移動し、防御線を構築することでした。しかし、実際には戦闘に参加することなく終戦を迎えています。

歴代師団長

大賀茂予備役中将：1944年4月6日 - 1944年7月8日
重田徳松中将：1944年7月8日 - 1945年4月7日
千葉熊治中将：1945年4月7日 - 終戦

参謀長

半井顕雄大佐：1944年4月6日 - 終戦

最終所属部隊

歩兵第134連隊（仙台）：鈴木精一大佐
歩兵第152連隊（山形）：山崎文一郎大佐
歩兵第155連隊（若松）：西岡貴一大佐
野砲兵第72連隊：岩本東三中佐
工兵第72連隊：山橋義明中佐
輜重兵第72連隊：小林正男少佐
第72師団速射砲隊：城光寺崇夫少佐
第72師団通信隊：伊藤幸一少佐

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。