第8高射特科大隊

第8高射特科大隊について

第8高射特科大隊（JGSDF 8th Antiaircraft Artillery Battalion）は、熊本県熊本市北区の北熊本駐屯地に駐屯する、陸上自衛隊第8師団隷下の高射特科部隊です。この部隊は、敵の航空戦力から味方を守ることを主な任務としており、高度な対空戦闘能力を有しています。

歴史

第8高射特科大隊の歴史は、1956年（昭和31年）に第8特科連隊第3大隊として編成されたことに始まります。当初は針尾駐屯地に配置されていましたが、1957年（昭和32年）には北熊本駐屯地へ移駐しました。その後、1962年（昭和37年）には第8混成団の第8師団への改編に伴い、第3大隊が第6大隊へと改編されました。

1973年（昭和48年）には、35mm2連装高射機関砲 L-90が配備され、部隊は新たな装備に対応した改編を行いました。さらに、1989年（平成元年）には81式短距離地対空誘導弾が配備され、対空能力の向上が図られました。そして、1990年（平成2年）に第8特科連隊第6大隊（高射特科）が第8高射特科大隊として分離・独立し、師団直轄の部隊となりました。

2005年（平成17年）には、後方支援体制の変換に伴い、整備部門が第8後方支援連隊第2整備大隊高射直接支援隊に移管されました。その後も、2015年（平成27年）にはADCCSⅡ型が導入され、2017年（平成29年）には11式短距離地対空誘導弾の1号機が導入されるなど、装備の近代化が着実に進められています。

2018年（平成30年）には、師団の即応近代化改編に伴い、隷下中隊の改編が行われました。具体的には、第1高射中隊の一部が第42即応機動連隊の高射小隊として編合され、本部管理中隊が対空情報機能の移管により縮小改編されました。また、近SAM中隊であった第1高射中隊は、対空戦闘指揮、対空情報、対空戦闘の3つの機能を有する指揮情報中隊に改編され、第2高射中隊は高射中隊に改編されました。

部隊編成

第8高射特科大隊は、以下の部隊で構成されています。

第8高射特科大隊本部
本部管理中隊「8高特-本」
指揮情報中隊「8高特-指」- 93式近距離地対空誘導弾を装備
高射中隊「8高特-高」- 11式短距離地対空誘導弾を装備
整備支援部隊：第8後方支援連隊第2整備大隊高射直接支援隊「8後支‐2‐高」（北熊本駐屯地）

過去には、第1高射中隊「8高特-1」と第2高射中隊「8高特-2」が存在しましたが、2018年の改編によりそれぞれ指揮情報中隊と高射中隊に改編され、廃止されました。

主要装備

第8高射特科大隊は、以下の主要な装備を保有しています。

93式近距離地対空誘導弾
11式短距離地対空誘導弾
対空レーダ装置 JTPS-P14
低空レーダ装置 JTPS-P18
対空戦闘指揮統制システムⅡ型（ADCCSⅡ）
3 1/2tトラック / 73式大型トラック
9mm拳銃
89式5.56mm小銃
12.7mm重機関銃

これらの装備により、第8高射特科大隊は、様々な脅威に対応できる能力を備えています。

参考文献

『高射のあゆみ二十年』 高射学校編 1982年

関連項目

陸上自衛隊高射学校
第4高射特科大隊 / 第15高射特科連隊
第2高射特科団 / 第3高射特科群 / 第7高射特科群

外部リンク

* 第8高射特科大隊


第8高射特科大隊は、その長い歴史の中で、常に変化に対応し、最新の装備と高度な訓練によって、日本の防衛に貢献しています。

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